横須賀・三浦版【10月17日(金)号】
午前中を中心に多くの買い物客でにぎわう衣笠商店街

衣笠商店街 買い物ついでにお手伝い 「きぬがサポーター」を新設

 横須賀市の衣笠商店街が、新たな取り組みとして「きぬがサポーター」の募集を始めた。商店街利用者などに、交流や生きがいづくりに役立ててもらうことが狙い。チラシを作成して参加を呼び掛けている。

 きぬがサポーターとは、商店街が主催するイベントや清掃活動などを手伝う有償ボランティア制度。2時間の活動の謝礼として、商店街で使用できる買物券がもらえる仕組みだ。

 個人商店が多く、昭和の雰囲気が色濃く残る同商店街。病院や金融機関が集中する衣笠駅に近いエリアということもあり、店が開店し始める9時頃には多くの買い物客でにぎわう。ファストフード店などには高齢者のグループが目立つなど、商店街が地域の憩いの場として機能している一面もある。

働くことで生きがい

 こうした特徴に着目し、「商店街に来る高齢者は元気な方が多く、買い物ついでに仲間と交流を楽しむ様子を目にする。せっかくなら、商店街活動に参加してもらうことで生きがいを得る機会も提供できないか」と、今回の制度を発案した同商店街副会長の中西真理さん。2年前に始め、毎日多くの来街者が参加するラジオ体操の取り組みは出会いの場にもなっており、同様の効果も期待している。

活躍の場を新設中

 商店街の多目的スペース「ガレリア」には、キッチンを新設中。完成後には、認知症の人や家族らが集う「オレンジカフェ」の実施を企画している。さらに、「まちなかキッズパーク」が老朽化で閉鎖したことを受け、新たな子どもの遊び場としての利用も検討しており、これらもサポーターの活動機会とする考えだという。

 サポーターの年齢や性別は不問。登録制で簡単な面談あり。問い合わせは同商店街事務局【電話】046・851・2310。
「大矢部みどりの公園」イメージパース(横須賀市提供)

大矢部弾庫跡 防災拠点有す自然公園 事業者決定 28年春開園へ

 かつて旧日本軍の弾薬庫として使用されていた「大矢部弾庫跡地」(横須賀市大矢部2丁目地内)を都市公園として供用するため、事業者を公募していた横須賀市は10月8日、(株)日比谷花壇(東京都)を代表企業とするグループ「大矢部オープンゲートプロジェクト」に選定したと発表した。同地が持つ自然や歴史資産を生かした公園設計を行うとともに、防災拠点、市民の交流促進につながる場を創出し、2028年4月の開園を目指している。

「大矢部みどりの公園」と名付けられている同地は、市の中央部に位置し、東京ドーム4個分に及ぶ約19ヘクタールを有する。1939年に国有地となり、海上自衛隊の後方組織「横須賀造修補給所」が2003年まで弾火薬の保管や補給に使用していたが、以降は遊休地となっていた。

 市は22年に民間事業者からアイデアを募るマーケットサウンディング(市場調査)を実施するなどで活用策を探ってきており、25年3月から、事業者の公募を開始。現状は国有地だが、開園後、市の所有地となる見通しだ。

 今回、同グループは整備と管理運営を一体として事業者負担で行うPark―PFI制度(公募設置管理制度)で選定された。日比谷花壇のほか、(株)丸孝産業や(株)大神といった地元企業も含めた8者で構成され、設計や建設、指定管理業務を分担して担っていく。

機能別エリア設定

「MEZAME VALLEY 大矢部の目醒め」とコンセプトを掲げる。広場や遊具、飲食店を設ける「憩い・賑わいエリア」や、田畑や収穫体験場などを置く「交流・発信エリア」、歴史的資源を活用する「史跡エリア」など、4つのエリアに分類する方針だ。

 敷地内には三浦一族のルーツとなる鎌倉時代に造営された「深谷やぐら群」や三浦為通を開基とする「円通寺跡」(いずれも埋蔵文化財包蔵地)、3カ所の隧道弾庫といった歴史的資産も残存している。また、周囲を宅地に囲まれながらも豊かな自然環境が残されており、これらの魅力を最大限に引き出していく。

災害物資拠点に

 災害時の拠点となることも見据えている。整備予定の「大屋根」は、発災時、支援物資の配送拠点となるなど、地域の防災力強化に貢献する役割も担う。平時はマルシェなどのイベント利用に供することも想定している。

陸に上がった船上ミュージシャン。イベント出演、路上ライブで活躍する ジェニファー・メイさん 横須賀市在住 27歳

複数のアイデンティティ全部自分

 ○…アコーディオニストでピアニスト。集まる人や演奏する場所に応じて操る鍵盤を使い分ける。クラシック、ジャズ、昭和歌謡、ロック、ヘビーメタルとジャンルを縦横無尽に行き来。横須賀中央のイベント会場や飲み屋街で演奏姿を頻繁に見かけるのは昨年、船を降りたからだ。イギリス系船会社のクルーズ船で専属ミュージシャンとして活動していたがキャリアを一旦ストップし、自分の思い描く音楽を追求しはじめた。

 ○…出自とキャリアで異彩を放つ。米軍基地内で生まれ育ち、父は元軍属、母は日本人。音楽大学を卒業し、24歳でクルーズ船に乗り込み、劇場専属バンドでピアニストを務めた。ショーで披露する曲目は全て初見。譜面を受け取ってから数時間のリハーサルを経て本番に臨む過酷な日々が音楽的対応力と技術を極限まで鍛え上げた。

 ○…郷愁を誘う昭和歌謡のアコーディオン伴奏を「隙間産業」と大きな身振りで笑いながら話した。レパートリーを揃えて若松マーケットに繰り出すと、「レトロな音色と街並みが絶妙な相乗効果を発揮し、反応がすこぶるよかった」。周囲との一体感もあり、自分の気持ちが高まっていくのを感じた。

 ○…今、一番関心を寄せているのは、クレズマーと呼ばれる音楽ジャンル。ウクライナ周辺に住んでいたユダヤ系の人たちが、宗教的・社会的な迫害を受けながらも独自に発展させていった民族音楽だ。「結婚式などで歌い継がれてきた『魂に訴える音楽』をクルーズ船で見聞きして虜になった」と熱っぽく語る。船上で出会ったウクライナ人ミュージシャンの夫の存在が無縁ではない。音楽も国籍も複数のアイデンティティを区別しない。すべて自分であると受け入れる。

コースカのイベントスペースで開かれたセレモニー

「海自カレー」磨き上げ 19店で19皿、11月中旬提供

 ご当地グルメとして全国的な知名度を誇る「よこすか海軍カレー」の派生メニューである「横須賀海自カレー」のリニューアルセレモニーが10月11日、コースカ ベイサイド ストアーズで開かれた。上地克明市長、海上自衛隊横須賀地方総監部の真殿知彦総監ほかが出席し、地元飲食店との連携を発表した。

 通称「海自カレー」は、横須賀・舞鶴・呉・佐世保・大湊と日本に5カ所ある海上自衛隊基地で隊員らが日常的に食しているカレーメニュー。艦船ごとに独自のレシピが存在する。横須賀では同地方総監部の協力で、地元の認定店が2015年から提供を開始して人気を博している。

 ただ、10年が経過して廃艦となったものもあることから見直しを図り、提供店とメニューも総入れ替え。新たな組み合わせで展開することになった(全19メニュー、19店)。15年に就役した日本最大級を誇る護衛艦いずもの「護衛艦いずもカレー」も加わっている。

 カレーの街よこすか事業者部会の鈴木孝博会長は「『カレーのまち』を盛り上げながら、海上自衛隊の活動PRに協力していく」と展望を話した。リニューアル後のメニュー提供は全店一斉で11月中旬頃を予定している。

大会実行委には横須賀・三浦の両市長も

ウインドサーフィンW杯 「洋上のF1」津久井浜が沸騰

 国内屈指のウインドサーフィンゲレンデとして知られる横須賀市の津久井浜海岸で今年もワールドカップ(W杯)が開かれる。10月8日に同大会実行委員会が記者会見を開いて発表した。

 大会名称は「ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀・三浦大会」。日程は11月13日(木)から17日(月)の5日間。2017年以降、毎年開かれており(20・21年はコロナにより中止)、今回で7回目。W杯ツアーの最終戦に位置づけられており、年間タイトルをめざすトップライダー約70人が出場。開催国の日本人選手が迎え撃つ。会見では、津久井浜海岸を拠点に活動している武田岳志選手と須長由季選手が出席し、活躍を誓った。

 競技種目は「フォイルスラローム」。フォイルと呼ばれる1m超の水中尾翼を取り付けたボードと風をはらませたセイルを操り、風上から風下にかけて打たれた複数のマークブイを回航しながらゴールをめざす。「洋上のF1」と称されるように最高スピードは約65Kmに達し、迫力のマーキングバトルが見どころ。レースは沖合で行われるために肉眼で展開が判別しにくいが、ドローンと大型ビジョンを用いた実況中継で観戦を盛り上げる。スマホなどからも競技情報を得られる。

 同実行委員会では、来場者4万人、オンライン視聴11万人の計15万人の観客動員をめざす。ステージイベントやフランスマルシェ、全国のグルメを集めた物産展なども企画している。

ゴールテープを切った南下浦中の川口さん(右)と深瀬さん

三浦中学校駅伝 雨ニモマケズ沿路快走 南下浦中がアベックV

 三浦市中学校駅伝大会が10月11日、初声中学校周辺のコースを会場に行われ、南下浦中が男女とも優勝を飾った(男子6区/1万6450m、女子5区/1万700m)。同校男女と、2位の三崎中男子、初声中女子は11月1日(土)に横浜八景島・海の公園周回コースで開かれる県大会に出場する。

 市内代表の約60人が力走。小雨が降りしきる中、畑が広がる沿道に立つ選手の家族や友人らの声援を背にたすきをつないだ。

 南下浦男子は、5区で2位に順位を落とすも、6区・川口陽也さんが逆転。最終的に30秒ほど後続を引き離し、ゴールテープを切り、2022年から4連覇を遂げた。南下浦女子は5区中3区が区間賞の会心の走りで5区・深瀬柚子さんへつなぎ、大会新記録となる44分25秒をマーク。2年ぶりに王者に返り咲いた。

「魔法少女」になりきってレッドカーペットウォーク

着飾るは「時代」「願望」 上町エリアでファッションショー

 過去・現在・未来を「装い」で表現する手づくりファッションショーが10月11日、横須賀市自然・人文博物館で開かれた。「横須賀クロスロード」と題して、一般社団法人「NELD(ネルド)」が企画。横須賀市上町の中里通り商店街を歩行者天国にし、レッドカーペットを敷き詰めて実施する計画だったが悪天候のため断念。同館内に場所を移して行った。

 その時代、その場所の空気をファッションを介して再現する試み。

 海軍の水兵が着用していたセーラー服を纏ってオーケストラの一団が演奏したほか、成人式で振袖を着ることが叶わなかったという70代の女性が華やかな和装姿で登場。「魔法少女」への変身願望を持つ女性は派手なドレスにティアラやステッキを身に着けて夢を叶えた。

 上町商店街に出店している若者向けの服飾店も衣装の貸し出しを行うなどイベントに協力した。

LIDRE(リドレ) 開業10周年記念写真コンテスト

 2026年3月に開業10周年を迎える横須賀中央の商業施設「LIDRE」(リドレ)では、フォトコンテストの作品を募集している。

 【1】LIDREと共に過ごした時間【2】LIDREがある風景【3】残したい三浦半島の3部門があり、いずれもLIDREにまつわる日常・人・風景・思い出などを自由な発想で表現する。

 募集期間は12月15日(月)まで。来年2月下旬頃に結果発表を予定している。各部門の最優秀賞として、商品券(Amazonギフト3万円分)が贈られる。優秀賞・佳作の表彰もある。受賞作品は、3月以降に館内で展示を行う。応募方法はLIDREホームページ(https://lidre.jp/)に詳細情報。

終活講演会 「死にがい」を考える

 全国に先駆け、自治体として終活支援に乗り出した横須賀市は11月16日(日)、終活コメンテーターとして数々のメディアに出演している小谷みどり氏(シニア生活文化研究所代表理事)を迎えて講演会を開く。

 演題は「最期まで自分らしい生き方とは」。生きるということは死に近づいていることを理解して終活から「死にがい」を考える。

 小谷さんと毎日新聞で「掃苔記」を連載している滝野隆浩氏(毎日新聞客員編集委員)、同市終活支援担当の北見万幸氏によるパネルディスカッションもある。

 会場はヴェルクよこすか6階ホール(日の出町1の5)。時間は午後2時から4時。入場無料。定員200人で予約優先。

 申し込みは横須賀市コールセンター【電話】046・822・4000。

多彩な表現力を持つコンガを操るひごさん

熱いジャズ、異色のコラボ パーカッションのひごさん

 新進気鋭のパーカッショニスト、ひごたくみさん(22/横須賀市阿部倉在住)が、その独自の音楽性で注目を集めている。幼少期に魅せられたコンガ(キューバ発祥の打楽器)を携え、地元での演奏活動から、著名アーティストのグループ参加と活動の幅を広げている。11月2日(日)には、汐入駅前のヨコスカ・ベイサイド・ポケットで開かれる「半田信英とタータスタッターズ」にゲスト出演。トロンボーン(半田信英さん)、津軽三味線(小山豊さん)にコンガが共演する異色のコラボレーションでジャズを届ける。

 音楽との出会いは5歳の頃。東京タワーで見たコンガのフォルムに「可愛い」と惹かれ、誕生日プレゼントとして本物の楽器を手にしたのが始まりだ。以来、コンガが生活の軸となり、ルーツであるキューバにも渡航。現地の音楽にすぐに馴染むなど、天性の才能と音楽への情熱でキャリアを積んでいる。

 昨年9月にはドラマー・パーカッショニスト集団「el tempo(エル・テンポ)」に加入した。リーダーのシシド・カフカ氏本人からのオファーでグループの一員となり、今夏はフジロックやサマーソニックなど、国内屈指の大型音楽フェスにも出演。「見える景色が変わった」と語る通り、大舞台での経験を糧に飛躍を目指す。

 2日の公演は午後3時開演。S席4千円、A席

3千円。問い合わせは横須賀芸術劇場【電話】046・823・9999.

接種記録などを記入できる

横須賀市×市医師会 成人用ワクチン手帳配布

 横須賀市は10月9日、成人用ワクチン手帳の配布を開始したと発表した。(一社)横須賀市医師会(高宮光会長)の提案により実現したもので、県内初の取り組み。母子手帳で予防接種を管理している子どもと違い、大人は自己管理がされていない現状があった。受診時に医療機関側が記入する。高宮会長は「肺炎球菌や帯状疱疹、新型コロナウイルス、インフルエンザは特に定期接種で大切なワクチン。そのためにも手帳を利用してもらえれば」と話している。

 手帳はA6サイズで表裏表紙を除き15ページの仕様。B型肺炎やRSウイルスなど約16の疾患のワクチン接種時期、回数などを記載しており、うち8つのワクチンの接種日やワクチン名、ロット番号などを記入するページを設けている。高宮会長は「高齢者が病気にかかると虚弱化や認知機能の低下を招きやすいため、何よりも病気にかからないことが重要。そのためにも手帳を利用してもらえれば」と活用を呼びかける。

 上地克明市長は「コロナ禍において市民の健康を守るために医師会と連携してきた。その延長線上に手帳の作成があり、市民の健康づくりに役立てば」と述べた。手帳は市内約200の医療機関で配布している。

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養殖場に稚エビを放流(サンエー提供)

(株)サンエーと官学連携 廃止水道施設で陸上養殖

 神奈川県・電気設備業の(株)サンエー(横須賀市三春町)・神奈川大学の3者は、横須賀市池上にある廃止した水道施設「木古庭揚水ポンプ所」を利用して、クルマエビ科「バナメイエビ」の陸上養殖の実証事業を開始した。

 廃止水道施設は人口減や老朽化により増加傾向にある。今回の取り組みは、そのような場を有効活用し、実現可能性を探る産学公の事業。8月に3者で共同研究契約を締結していた。

 サンエーは、今年から同社内でクルマエビの陸上養殖を開始しており、社会課題解決の観点からもいずれは遊休施設の活用も視野に入れていた。そうしたところ、県から提案があり今回の事業に至った。

 陸上養殖は、陸地に人工的に設置した水槽で飼育する形態で、海水などを継続的に引き込む「かけ流し式」と飼育水を浄化装置で循環させる「閉鎖循環式」の主に2つに分けられる。

 今回は閉鎖循環式を採用。縦2m、横3mのプール1基を設置し、10月2日に約2千匹のバナメイエビの稚魚を放流。今後、生育性などを検証していく。期間は2026年3月頃までを予定している。出荷については実証事業の中に含まれていない。

長沢中 横須賀の魅力ふんだんに 生徒主導で返礼品開発

 長沢中学校2年生の生徒が地域の事業者などと協力し、市のふるさと納税品の開発を進めている。このほど完成した第一号商品である冷凍ショートケーキ「季の小瓶」が10月16日からふるさと納税サイトで掲出されている。市の人口減少をテーマに行われている総合的な学習の一環で実施しており、市創業・新産業支援課によると10月9日時点で、同校から18の商品案が届いているという。

 鈴木杏莉さん、脇野愛咲さん、高橋那月さんが追浜銀座通り商店会のケーキ屋「パティスリーハダ」の羽田真也さんに協力を依頼し、完成させた。鈴木さんは「皆さんの協力で想像以上の商品ができた。返礼品を通して横須賀の良いところを伝えられたら」と話している。

 3人は、地場産野菜や果実を使用した返礼品開発を視野に活動を開始。当初、別の業者との商品化を進めていたが、製造上の問題で計画が白紙となり、一からやり直すことに。今年4月頃、生徒たちはふるさと納税サイトやインターネットで検索し、パティスリーハダにたどり着き、商品化の相談を持ちかけた。

 生徒らは絵コンテを作ったり、仕入先となる農家へ直接交渉したりするなどで開発を進めてきた。商品名や瓶のデザインなども一貫して生徒が作成。食材はミカンやイチゴ、今後はメロンなど、その時々の地場産旬食材を使用する。ふるさと納税は3瓶1セット、今後パティスリーハダの店頭でも販売予定だ。

風味香るカレー菓子

 「返礼品の中にクッキーがあまり多くないことに着目した」と話すのは、岩崎晴斗さんと大沼蒼さん。よこすか海軍カレーにヒントを得たカレー味のチョコクッキー「スパイス航海クッキー」を試作中。地域の特産品と組み合わせることで付加価値を生み出している。

三浦青年会議所 秋の三浦海岸を彩る 10月19日にオータムフェス

 音楽やグルメ・パフォーマンスが秋の三浦海岸に一堂に会する「オータムフェスin三浦海岸」が10月19日(日)に実施される。(公社)三浦青年会議所の主催。午前11時から午後8時。

 昨年度、海の家開設が見送られ、地域経済縮小に不安が募っていたことや、秋季の海岸活用イベントの少なさなどに目をつけ、昨年初実施。集客目標として掲げていた1千人を大幅に超える約8500人を記録した。

 2回目を数える今回は、約50店舗の飲食店が連ねるブースやビーチスポーツ体験(別途参加費)、ショベルカーや高所作業車などの展示がある。ステージイベントでは、アーティスト「ハジ→」によるスペシャルライブのほか、DJやダンサーのパフォーマンスも楽しめる。司会は三浦市出身の芸人「ノブとカカズ」を迎え、会場を盛り立てる。

 入場無料。問合せは事務局【電話】046・881・5111(吉田さん)。

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刑務所作業製品の一例

横須賀刑務支所「矯正展」 刑務作業品を販売

 横須賀市長瀬の横須賀刑務支所で10月19日(日)、「横須賀矯正展」が開催される。

 矯正展は、刑務作業の重要性や現状などについて知ってもらうことを目的に、全国の刑務支所や少年院で催されている企画。施設を見学できる機会で、受刑者が製作した「刑務所作業製品」の展示即売会も行われる。

 このほか、ステージイベントや子どもを対象とした記念撮影「ちびっこ刑務官」、有名ラーメン店による出張販売や飲食ブースなど、盛りだくさんの企画となっている。

 午前9時30分から午後3時。雨天決行。問い合わせは同支所【電話】046・842・4977。

吹奏楽部の活動に ゴスペルフェス実行委が寄付

 今年4月、三浦市三崎のうらりで開かれた「三浦ゴスペルフェスティバル」。当日、会場で募金を呼び掛けていた実行委員会は10月10日、全額2万7646円を南下浦中学校に寄贈した=写真。吹奏楽部の修理費や活動費に充ててもらう。

 同イベントでの募金は初めての試み。市内中学校の吹奏楽部員や楽器維持費の減少などの課題を察知した諸磯出身の長谷川繁副実行委員長が企画。寄付を受けた市川昌樹校長は「今後、部活の維持が難しくなる時代が来るかもしれない。大切に使わせていただく」と感謝を述べた。

 イベントには観客約1000人が来場。遠谷政史実行委員長は「今後も様々な人を巻き込みながら、市の一大イベントになれば」と話している。

満腹のトラを抱く平塚さん(右)と高橋さん

三浦市三崎 猫がつなぐ優しさの輪 保護活動に深まる理解

 吾輩たちは猫である。名前はトラ、ソックス、グレ、ガガ、マイケル、チビ――。

 三崎漁港からほど近い花暮会館の周辺で、6匹の地域猫が暮らしている。仰向けの無防備な姿で気持ちよさそうに昼寝をしていたり、道行く人を目を細めて怪訝そうに見つめていたり。漁師町で気ままに暮らす様子がSNSなどで広まり、猫を目当てに訪れる観光客も増えている。

不幸な猫を救いたい

 世話をしているのは、近くに住む高橋正樹さん。十数年前、体調不良で地域猫の世話を続けることが困難になった知人から、活動を引き継いでほしいと依頼を受けたことがきっかけだった。

 当時から自宅でも猫を飼っていたが、「猫好きなのは妻。私はそれほど興味がなかった」。それでも、車にひかれたり、やせ細って死んでいる姿を地域で見るたびに胸を痛めていたこともあり、不幸な猫を減らしたいとの思いで引き受けたという。

 病気や寿命で亡くなったり、どこからか新入りが現れたり。増減を繰り返す猫たちの診察や去勢手術にかかる費用は、高橋さんが身銭を切ってきた。月に5万円かかることも珍しくない。そんな生活が十年以上続く。

 「『どうせ野良だから』と病院に連れていかなければ、ずっと後悔するから」。とはいえ、年金暮らしの高橋さんにとってその負担は小さなものではなく、「こんな老後になるはずじゃなかったんだけど」と嘆きながらも、その目は優しい。

寝床は月1万円

 そんな高橋さんの相棒は、近くに住む根っからの猫好きな平塚祐一さん。毎朝4時に玄関先で「ニャーン」と鳴く猫が平塚さんの目覚まし時計だ。お決まりの場所で餌をあげると、その足で近所をまわってふんを拾い集め、念入りに掃除をする。これを朝晩欠かすことはない。猫好きな人ばかりでないことを理解しているからこそ、少しでもネガティブなイメージを払拭するためだ。

 猫の寝床のために、使われていない米屋の倉庫を月1万円で借りた。古い毛布やタオルがあれば切りそろえ、寒さ対策用にストックを作る。「猫って忠実で、もうかわいくて仕方ないの」。トラは平塚さんの膝の上がお気に入りだ。

 鮮魚店「まるいち」の女将・松本美智世さんは、ガガの名付け親。「足が細長いから」と、名前の由来はレディー・ガガだ。店には毎日のようにマイケルたちがおこぼれを狙って訪れ、干してあるサバを堂々と持っていかれることもあるが、「猫も一生懸命生きているんだもんね」。

 人と猫が同じ地域で気持ちよく暮らせるために、高橋さんや平塚さんが続ける献身的な取り組み。地域の理解も少しずつ深まっている。

スペイン史料から按針の真実に迫る 鈴木かほる氏の新著

 日本中世史研究家の鈴木かほる氏(横須賀市桜が丘在住)が、スペイン史料から三浦按針(イギリス人、ウイリアム・アダムス)の功績を解き明かした新著『三浦按針は英国通商成立までの十三年間、何をしていたのか』(文芸社)=写真=を上梓する。

 これまで見過ごされてきたスペイン史料を丹念に読み解き、1600年に按針が日本に漂着してからイギリス通商を成立するまでの13年間の動向を検証。按針をイギリス貿易の顧問とする一般的な見解に対し、徳川家康が按針を重用した真の目的は、浦賀湊をスペイン交流の一大経済特区とすることにあったと結論づけている。家康は、スペインの敵国人である按針から忌憚のない情報を得ることで、浦賀外交を有利に進めようとした。しかし、この外交の失敗が根底にあり、13年の全国禁教令へと大きく舵を切る原因となったと論じる。按針の存在が、初期徳川幕府の外交・宗教政策の転換期に不可欠であったことを証明する一冊。10月中旬から下旬に店頭にならぶ。1400円(税別)。

横須賀にクレズマーの響き メイメイさんがライブ

 鍵盤奏者のメイメイ(ジェニファー・メイ)さんが出演したライブが10月13日、横須賀市大滝町の無頼庵(ブライアン)酒場で行われた=写真中央。

 メイメイさんを中心とする音楽家が、店内で即興演奏を行い、東欧系ユダヤの音楽を起源とするクレズマーを奏でた。なじみのないジャンルのため、メイメイさんがそのルーツや音楽的特徴を解説。横須賀での演奏を通じて、クレズマーの認知度向上を目指すとしている。

 メイメイさんは、豊かな音楽性で注目を集めており、10月18日(土)にはポップスユニット「椿優衣&めいめい」として「YOKOSUKAダウンタウンストリートライブ」に出演する。会場は横須賀中央リドレ店頭で、午後1時30分開始。

アクロバティックで迫力ある演技

トップ選手の演技間近に パルクールの日本一決定戦

 国内のトップ選手が出場する「PARKOUR TOP OF JAPAN YOKOSUKA2025」が10月25日(土)、横須賀市のヴェルニー公園で開催される。

 パルクールとは、フランスの軍隊で行われているトレーニングを元にしたスポーツ。障害物を飛び越えてゴールまでのタイムを競う「スピードラン」、走る・跳ぶ・登るなど技の難易度や創造性を競う得点競技「フリースタイル」、制限時間20秒の間に障害物コースで鬼役を追いかけてタグを取る「チェイスタグ」の3種目で日本一の座をかけた戦いが繰り広げられる。

 当日は、横須賀市在住の中村健人選手のほか、日本人として初めて世界大会を制した鈴木智也選手など国内トップレベルの選手が出場予定。ゲストとして、元体操選手の池谷直樹さん、大会テーマソングを歌うシンガーソングライターのSoalaさんも登場する。

 午前10時45分から午後5時。入場無料。雨天中止(当日午前7時にホームページで案内)。

「大丈夫!」届ける活動 障がい児母親団体の五本木さん

 元中学校教諭で「多様な学び」「地域での教育」の啓発に取り組む滝田衛さんが主宰する「七里が丘こども若者応援研究所」は10月25日(土)、障がいのある子どもやその家族が地域で安心して自分らしく暮らせるための事業を数々手掛けている一般社団法人「sukasuka―ippo」(スカスカイッポ)の五本木愛代表理事=写真=を招いて講演会を開く。

 同法人は、障がい児を持つ母親たちが立ち上げたグループ。「自分たちが足りないと思うこと、欲しいと思うものを自分たちで作る」ことをモットーに活動の幅を広げてきた。地域企業と母親たちのスキルやキャリアを繋げる「よこすかテレワーク」にインクルシーブ学童の開設、生活困窮世帯の子どもへの学習支援など、取り組みは枚挙にいとまがない。講演では、不安を抱える子どもと家族に「大丈夫!」を届け続けるスカスカイッポの活動を解き明かす。

 会場は汐入駅前の横須賀市産業交流プラザ第4会議室。午後2時から4時。参加無料。

 希望者は名前、参加人数、メールアドレスを記して、shichirigaoka.lab2013@gmail.comに申し込む。

わたしのまちでいきる きょうだいの想い 編 【6】姉の言葉で融解する心「一般社団法人sukasuka-ippo代表理事 五本木愛」

 この連載では、障がいを持って生まれたうららの兄、蓮から見た妹の姿やきょうだい児として感じてきたことなど、さまざまなエピソードを紹介します。

 母から「兄弟ができたよ」と打ち明けられてから、少し経ったある日。近くに住む兄と姉が来て、弟か妹ができることで祝い事のように盛り上がった後、"言葉の視線"を変えたのは姉でした。

 「蓮は嬉しい?」。姉は私に尋ねました。私は両親の耳には入らないだろうと思い、「嬉しくないよ、全然」と返答。驚くだろうな、いっそきっぱり叱られた方が納得できる、そんなことを考えながら姉の反応を待っていると、「まあ、そうよね。家族多いし、長男だからなぁ」。目を丸くさせている私をよそに、姉は続けました。「でもしょうがないじゃん?出来ちゃったんだし。全部を好きにならなくていいんだよ、可愛くないなって思うならそれでいい。だからとりあえず産まれてからでいいんじゃない?もしかしたらめっちゃ可愛いかもよ?」。そう言って笑いました。姉の言葉は、無理な共感や慰めではなく、私の考えを否定も肯定もしなかった。ただ起こりうる可能性の提示をしただけ。それがとても心地よく嬉しくてたまらなかったのを覚えています。

 私はその日から、新たな兄弟の誕生を少しずつ心待ちにするようになりました。相変わらず「長男だから」という言葉が大嫌いだけど。でも年も離れてるし喧嘩なんてしないかもしれない。それにきっとその頃には私も少し大人になっているはず。話し合って無意味な争いはしないで、何とかしよう。そう思えていました。そんな私の想定まで辿り着かないのに。     

     -次回に続く

西浦賀・船番所跡

三郎助を追う 〜もうひとりのラストサムライ〜 第16回 文・写真 藤野浩章

「蒼隼(そうしゅん)丸と晨風(しんぷう)丸を造った二人のことじゃ、無理な話でもなかろうと思うがの」(第二章)



 ようやく竣工したものの、試し乗りのわずか1カ月後、何も活躍しないまま全焼するという悲劇に見舞われてしまった蒼隼丸。しかし翌嘉永4(1851)年に復活することになった。それが晨風丸だ。

 幕府に再三頼んで造ったが焼失させてしまうという不祥事。しかし、こんなに早く再建されたのには、ある商人の尽力があったという話がある。大矢弥市(やいち)だ。

 大矢家は栗原村(現・座間市)で古くから大規模に米作などを行っていた。やがて農産物の卸商を始めて大きな利益を上げ「栗原御大尽(おだいじん)」と呼ばれていたとか。有力大名にもお金を貸すほどの豪商だったという。

 代々「弥市」と呼ばれた中でも5代目が、西浦賀・蛇畠(じゃばたけ)で農閑期に穀物卸の出稼ぎを始めたのは嘉永3(1850)年のこと。丸屋という屋号だった。幕末には約三百軒の商家があったという商業の拠点に進出できたのは、地元の有力商人が親類で、その手引きがあったからという説もある。いずれにせよ、商人がひしめく浦賀で、弥市は商いを始めたのだ。

 そんな矢先に起こったのが、蒼隼丸を焼いた火災。その時弥市は、大胆な行動に出る。なんと、軍船を造る費用を寄付したい、と奉行所に申し出たのだ。

 冒頭のセリフは、後の「鳳凰丸」建造に当たってのもの。この時の連続した船造りが、結果的に浦賀組に大きな経験をもたらしたのだ。そしてその元になった弥市は、ペリー来航でも大きな活躍をすることになる。