横須賀・三浦 文化
公開日:2025.10.17
スペイン史料から按針の真実に迫る
鈴木かほる氏の新著
日本中世史研究家の鈴木かほる氏(横須賀市桜が丘在住)が、スペイン史料から三浦按針(イギリス人、ウイリアム・アダムス)の功績を解き明かした新著『三浦按針は英国通商成立までの十三年間、何をしていたのか』(文芸社)=写真=を上梓する。
これまで見過ごされてきたスペイン史料を丹念に読み解き、1600年に按針が日本に漂着してからイギリス通商を成立するまでの13年間の動向を検証。按針をイギリス貿易の顧問とする一般的な見解に対し、徳川家康が按針を重用した真の目的は、浦賀湊をスペイン交流の一大経済特区とすることにあったと結論づけている。家康は、スペインの敵国人である按針から忌憚のない情報を得ることで、浦賀外交を有利に進めようとした。しかし、この外交の失敗が根底にあり、13年の全国禁教令へと大きく舵を切る原因となったと論じる。按針の存在が、初期徳川幕府の外交・宗教政策の転換期に不可欠であったことを証明する一冊。10月中旬から下旬に店頭にならぶ。1400円(税別)。
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