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横須賀・三浦 トップニュース社会

公開日:2025.10.17

大矢部弾庫跡
防災拠点有す自然公園
事業者決定 28年春開園へ

  • 「大矢部みどりの公園」イメージパース(横須賀市提供)

 かつて旧日本軍の弾薬庫として使用されていた「大矢部弾庫跡地」(横須賀市大矢部2丁目地内)を都市公園として供用するため、事業者を公募していた横須賀市は10月8日、(株)日比谷花壇(東京都)を代表企業とするグループ「大矢部オープンゲートプロジェクト」に選定したと発表した。同地が持つ自然や歴史資産を生かした公園設計を行うとともに、防災拠点、市民の交流促進につながる場を創出し、2028年4月の開園を目指している。

「大矢部みどりの公園」と名付けられている同地は、市の中央部に位置し、東京ドーム4個分に及ぶ約19ヘクタールを有する。1939年に国有地となり、海上自衛隊の後方組織「横須賀造修補給所」が2003年まで弾火薬の保管や補給に使用していたが、以降は遊休地となっていた。

 市は22年に民間事業者からアイデアを募るマーケットサウンディング(市場調査)を実施するなどで活用策を探ってきており、25年3月から、事業者の公募を開始。現状は国有地だが、開園後、市の所有地となる見通しだ。

 今回、同グループは整備と管理運営を一体として事業者負担で行うPark―PFI制度(公募設置管理制度)で選定された。日比谷花壇のほか、(株)丸孝産業や(株)大神といった地元企業も含めた8者で構成され、設計や建設、指定管理業務を分担して担っていく。

機能別エリア設定

「MEZAME VALLEY 大矢部の目醒め」とコンセプトを掲げる。広場や遊具、飲食店を設ける「憩い・賑わいエリア」や、田畑や収穫体験場などを置く「交流・発信エリア」、歴史的資源を活用する「史跡エリア」など、4つのエリアに分類する方針だ。

 敷地内には三浦一族のルーツとなる鎌倉時代に造営された「深谷やぐら群」や三浦為通を開基とする「円通寺跡」(いずれも埋蔵文化財包蔵地)、3カ所の隧道弾庫といった歴史的資産も残存している。また、周囲を宅地に囲まれながらも豊かな自然環境が残されており、これらの魅力を最大限に引き出していく。

災害物資拠点に

 災害時の拠点となることも見据えている。整備予定の「大屋根」は、発災時、支援物資の配送拠点となるなど、地域の防災力強化に貢献する役割も担う。平時はマルシェなどのイベント利用に供することも想定している。

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