藤沢版【6月6日(金)号】

待機児童、3年連続で増加 保育所3カ所新設へ

 藤沢市は先月28日、4月1日時点で保育施設への入所を希望する待機児童数が17人だったと発表した。3年連続での増加を受け、市は来年4月までに保育所を新たに3カ所開所する見込み。保育所の新設は2023年以来2年ぶり。

 市内の待機児童数は、12年度の379人がピークだった。市は保育所の新設など受け入れ枠を増やし、21年、22年度は待機児童ゼロに。しかし、23年度以降は増加が続いている。

 こうした事態を踏まえ、先月29日に行われた会見で鈴木恒夫市長は、今年9月に辻堂駅周辺に認可保育園を1カ所新たに設けるほか、来年4月に湘南台へ1カ所新設、明治地区の小規模保育事業所を認可保育所化する方針を公表。221人受け入れ枠を増やし、再び待機児童ゼロを目指す。

保留児童は584人

 待機児童17人に対し、市が受け入れ枠を大幅に増やす理由の一つに、保留児童の存在がある。保留児童は市の認可施設への入所を希望しているが、入所できず無認可施設に通っている、親が育休を延長している、特定の保育所を希望しているなどの人が含まれる。市内では待機児童ゼロとなった21〜22年度も保留児童は450人ほどで推移。昨年度は500人、今年度は584人いる。

希望10園書いても叶わず

 出生数が減少しているにもかかわらず、共働き世帯の増加から高まる保育需要。市は申し込み用紙に希望園を記入する欄を10枠設けているものの、そのどこにも入れないといったケースも散見され、今年4月入所の1次申し込みでは約80世帯にも上った。

 保護者の間では「加点(ひとり親や兄弟の有無、親が保育士などの理由で付与される点数)がないと入れないのでは」などといった声も上がっている。市が発表した4月入所の1次申し込み時の内定指数(各園1歳児内定者のボーダーライン)では、いわゆる加点のある世帯がボーダーとなった園が全体の約2割。そのほか父母のいずれも健康で週5以上、かつ1日7時間以上働く一般的な世帯がボーダーとなった園が約6割を占め、勤務形態が週4日などの職業に就く人にとっては厳しい状況にある。

 市子ども総務課は「出生数の減少から、安易に増やすと将来的に供給過多となる可能性もあり、潮目が難しい」と話す。

 また市では少子化や老朽化を理由に、公立保育園を段階的に減らすことも想定しており、23年度から柄沢保育園の入所申し込みを停止し、来年3月には閉園を予定している。明治保育園も周辺エリアの申し込み状況に応じて段階的に入所申し込みを停止し、閉園する流れとなっており、今後も慎重な需給の見極めが求められる。

晴天に恵まれた江の島仲見世通り(昨年5月)

昨年観光客数 2040万人で過去最多に 外国人客増や天候が要因

 藤沢市は先月29日、昨年1年間に市内を訪れた観光客数が前年比4%(約80万人)増の約2040万人で、過去最多となったことを発表した。訪日外国人客の増加や春から好天に恵まれたことなどが要因という。宿泊や飲食、レジャー、お土産代への支出を算出した観光消費額も前年比5%(53億円)増の約1139億円となり、客数、消費ともに過去最高となった。

 四半期別の観光客数は4〜6月が前年比12%(約44万人)増で、最も大きく伸びた。6月の平均気温が平年に比べ高かったことや、国全体の訪日外国人観光客が前年比55・8%増と好調で、片瀬江の島観光案内所では外国人観光客の案内実績が昨年の1・3倍に増えたこともあり、市はインバウンドの取り込みができたと推測する。

 7〜9月では、海水浴客が前年比8・1%増となったことも影響し、前年比7%(約43万5千人)増となった。

 10〜12月は前年比ほぼ横ばい。市観光課は「湘南キャンドル」「湘南の宝石」など夜間イベントが定着しつつあることを理由に挙げる。

 市は2017年から観光振興計画で年間観光客数2千万人を掲げており、初めて突破した。

 一人当たりの平均消費額(前年比)は、宿泊客の飲食が6・5%増の4044円、レジャー・土産が4・9%増の5759円。日帰り客の飲食は1・7%増の2266円、レジャー・土産は1・4%増の2894円だった。市は物価上昇に伴う価格上昇も追い風となったと推察する。

31年までに約2511万人

 一方、13年に観光客数約2308万人を誇った鎌倉市では、昨年1594万人にとどまった。

 コロナ禍前以上に観光客数をV字回復するのが難しい自治体が多い中で、市内では増加した要因について「江の島を中心にイベントを開き続けてきたほか、動画やSNSでの発信にも力を入れたり、市独自の旅割キャンペーンを打ち出したりもしてきたことが功を奏した」と同課。昨年4月には観光振興計画を改定し、2031年に年間観光客数約2511万人の目標を掲げている。

 同課は観光客数に対する宿泊者数の少なさ、観光地の混雑、集中解消などを課題に挙げる。海岸部のみならず、北部地域を含む市内各所の観光情報発信にも注力する。

 「日中から夜間まで、また年間を通じてバランスの取れた観光地化、時期の分散など、市民の観光への理解を深めながら観光客の受け入れに取り組んでいく」とした。

日本大学藤沢高校ラグビー部の監督で21年ぶりに関東大会出場へと導いた 向 淳造さん 都内在住 55歳

自主性育む”ぶつかり合い”

 ○…「長かった。でもほっとした」。大舞台へのチャンスを手繰り寄せた県予選会準々決勝、会場となった秋葉台公園で快哉を叫んだ。並み居る強豪を前に水をあけられる期間が続いた。その迷路から抜け出すための答えはディフェンスにあった。「点取り合戦はしたくない。競技上、避けては通れない守りを徹底的に磨いた」。2年ほど前から練習の中身を変え、ようやく芽が出た。

 ○…横浜市栄区で生まれ育った。もともと野球少年だったが、小さな体を鍛えようと、中学の部活でラグビーの世界へ。”スポ根”ドラマの金字塔『スクール☆ウォーズ』ブームとも重なり、汗と涙の青春を過ごした。その後、日大藤沢高校に入学。フォワードとバックスをつなぐスクラムハーフを担当し、国体の県選抜にも選ばれた。大学を経て、現在ジャパンラグビーリーグワンに所属する「浦安D―Rocks」の前身であるNTTに入社。強固なディフェンスとキレのあるタックルを武器に、社会人チームでも活躍した。30代半ばで現役引退後、母校から声がかかり、17年指導してきた。

 ○…関東出場の感慨に耽る間もなく、グラウンドでキリリと鋭い目を光らせる。「昔は『ああしろ、こうしろ』と指示を出していたが、それでは選手は動かない。今は自ら課題を挙げ、解決させている」。真剣な表情で一つひとつのプレーを話し合う選手たち。自主性が日々育まれている。

 ○…家族と過ごすひと時が息抜き。「この間はサザンのライブにも行った」と笑う。オフの日でも頭の片隅で気になるのは選手の存在。「やっぱり”ぶつかり合い”が好き。チーム日藤の名を全国に轟かせたい」。若い世代がいずれ、藤沢に繁栄をもたらせてくれることを信じて疑わない。

ポスターの前に立つ(左から)岩崎校長、小早川支店長、藤沢北警察・笠原健司署長

湘南台高美術部と城南信金 防犯啓発ポスター製作 湘南台駅に1カ月掲示

 湘南台駅地下に現在、湘南台高校美術部が作成した防犯啓発ポスター14枚が掲示されている。

 城南信用金庫湘南台支店が企画し、特殊詐欺や自転車盗難を防止するメッセージが紹介されている。同店社員が、地域との結びつきをより深める目的で同校美術部顧問に提案。作成を進めながら市役所や藤沢北警察署と連携し、掲出場所を調整した。「詐欺被害の現場になることもある信用金庫から防犯を啓発することに意義があると考えた」という。

 2日から掲示が始まり、道行く人が足を止めて作品に見入っていた。当日訪れた同校の岩崎道子校長は、「美術表現が防犯を通じて市民生活に役立つことは、生徒にとってよろこばしいことだと思う」と話した。同店の小早川敏行支店長は、スマートフォンに顔が描かれた絵などに目を向けながら「若い人のインパクトのある表現は、駅の利用客の興味を引く。『自分は大丈夫』という気持ちを見つめ直すきっかけにしてほしい」とした。

 掲示は1カ月間。その後は同店や公共施設、商業施設に掲示される予定。

竹の一種「タイミンチク」の花=市観光課提供

“100年に一度”竹の花咲く 江の島で可憐に揺れ

 江の島サムエル・コッキング苑で”100年に一度”と言われる竹の花が咲き、訪れる人の目を楽しませている。

 開花したのは、同苑に植栽されている「タイミンチク」。イネ科で、稲穂のように小さな縦長の黄色い花をつけている。

 藤沢市観光課によると、英国の貿易商だったサムエル・コッキング氏(1845―1914)が1882(明治15)年から同地に庭園を造成した際に持ち込んだとされる(諸説あり)。

 同苑を運営する江ノ島電鉄(株)の社員が5月28日に開花を確認。見頃の期間は不明としつつ、同課は「珍しい花の開花をぜひご覧下さい」と来苑を呼びかけている。

 また同苑のタイミンチクは、1971(昭和46)年に市の天然記念物にも指定されている。

戦争体験談を募集 藤沢編集室より

 戦後80年に合わせて、タウンニュース藤沢編集室では現在、読者の戦争体験談を募集している。

 紙面や特設サイトを通じ、戦争体験を後世に伝えることが目的。戦時中の生活や学童疎開、学徒動員、防空演習、戦地の実相のほか、出征先や軍隊内での体験など幅広く受け付ける。体験地は国内・国外を問わない。

 情報提供は藤沢編集室【電話】0466・55・4777、または氏名(ふりがな)、年齢、住所、連絡先、話せる内容の要旨を明記の上、メール(fujisawa@townnews.co.jp)から。

一般会計補正24億円 6月議会に提出 アスベスト問題で初の給付金支給など

 藤沢市は藤沢市議会6月定例会に2025年度6月一般会計補正予算案や一般議案、条例議案など計34議案を提出する。

 一般会計補正予算案の総額は24億1321万円。補助対象事業で新規補助された事業と、当初予算成立後に生じた特別な理由によって緊急に対応する必要がある事業について実施する。

 過去にアスベスト(石綿)含有の吹付材を使用していた市立浜見保育園の元園児の女性から、石綿に関連する疾患を発症した申し出があり、市の補償・給付制度に基づき給付金100万円を支給。調査に係る外部の有識者による委員への謝礼金78万3千円と合わせ、対策事業費178万円を盛り込んだ。給付金の支給は初。

 女性の対象疾患は卵巣がんで、23年6月に同制度の給付を申請。有識者委員会が調査した結果、「起因性は認められないとしたものの、寄与している可能性も否定できない」とし、市に答申を提出。市は今年4月に収受した。

 同園では開園当初の1972年から07年に除去するまで、保育室の天井に石綿含有の吹付材を使用していた。一部の期間を除き、雨漏りなどで飛散した可能性があり、当時在園していた約800人が暴露した恐れがあるという。

 子育て支援関連では、認可保育所の新設整備費用7496万円を計上。新設は23年4月ぶりで、「待機児童ゼロ」を目指す。来年4月の開所に向けて認可保育所の設置運営事業者を公募し、選定された2事業者へ施設整備に係る費用の一部を助成する。設置地域は湘南台地区で定員70人、明治地区で定員61人を予定。また今年9月開所予定の認可保育所の施設整備助成については、国庫補助基準額が当初見込みを上回ったことから差額分を増額する。

 城稲荷地区の耕作条件改善の支援では、200万円を計上。同地区は地盤沈下や経年劣化で暗渠排水管が機能せず、耕作に影響している箇所がある。水循環に係る基盤を整え、二毛作も可能な農地整備を支援する。

 大清水中学校夜間照明設備の設置費用1億1882万円も計上。屋外スポーツの推進と市民の健康増進を図る。今年度に工事開始、来年度に供用開始を予定。夜間照明は現在、明治小、御所見中、長後中の3カ所に設置されている。

駅前再整備にAI活用

 藤沢市は藤沢駅駅前広場の再整備に活かそうと、駅前の交通量などを記録する調査にカメラとAIを活用する実証実験を昨秋行った。調査を担当したセーフィー(株)(東京都)が先月29日、調査の結果などを発表した。

 市が限られた人材で持続可能な行政サービスを提供するためデジタル技術の活用を進める取り組みの一環として交付している「スマートシティ推進実証補助金」。同社のデジタルを活用した交通量調査が採択され、今回の実証実験の実施に至った。

 昨年10月1日から11月2日にかけて、南口の外周デッキに1台、一般乗降場に2台のカメラを設置し、通行量と車両交通量の滞留状況を調査。取得した映像データをAIで解析し、車両交通量・停車時間、用具別通行者数を可視化した。外周デッキではベビーカーや車いすの利用が一定数確認でき、バリアフリー基準に合わせた整備が課題となった。一般車乗降場ではロータリー内の交通負荷を増大させている長時間停車への対策が必要とわかった。

 市によると、これまで交通量は特定の日に12時間かけて目視で調査されていた。人的負担が大きく、天候や曜日など詳細な条件を加味した調査や、用具別の通行者数の把握は難しかったという。担当者は「南口の課題が見えた。駅前の再整備に関する検討材料としたい」としている。

ラジオ収録中の在津さん

戦後80年 語り継ぐ記憶 満洲 略奪と叫び声の記憶 ラジオDJ 在津紀元さん

 毎週日曜午後6時からレディオ湘南で放送される「ざいつきげんの音楽鍋」でパーソナリティを務め、明るいトークと選曲でリスナーを魅了するラジオDJ・在津紀元さん(85)。その生まれは旧満洲国(現・中華人民共和国東北部)だ。終戦直後にソ連(現・ロシア)から侵攻を受け、わずか5歳にして生活は一変。死と隣り合わせの日々が始まった――。

 在津さんは1940年、旧満洲国・撫順市に生まれた。同市は炭鉱の町として知られ、父は旧南満洲鉄道株式会社(満鉄)の鉱山技術者として勤務。家族は同社の社宅で暮らしていた。

 「満鉄の社宅では優雅な暮らしをしている人が多かった」。だが1945年8月9日、にソ連軍が満洲に侵攻。撫順市に入ると、社宅を略奪の標的とした。「終戦後も1カ月くらいは略奪が続いた」と在津さん。混乱の中で人々は命と身の安全を守ろうとした。「女性は髪を剃り、男装して屋根裏へ避難する。母も丸坊主になっていた」

 ソ連兵4人がマンドリン銃を手に、住居内に侵入してくる。「兵士たちは片言で『ゼニナイ、カネナイ』と言っていた」。幼い日の在津さんの目に焼き付いたのは、銃口と4人が大量に身に付けていた腕時計。「うちに来るまでに何軒も襲った証だと思う」。息を潜めながら、略奪を見つめることしかできなかったが「恐怖感はなかった」という。命を守るため、大人たちの「金品を全て捕らせて、早く帰ってもらう」という考えに黙って従った。

引き揚げまでの日々

 占領下の撫順市での日々が始まった。満鉄は閉鎖されたが、父の仕事仲間の中国人が差し入れをくれるなど、生活を助けてくれた。朝、野営する中国人兵士のテントに子どもたちが訪れ、鍋に残った焦げたご飯を貰ったりした。「今でもおこげが好き。その影響かもしれない」と話す。

 在津さんが子ども心に恐怖を抱いたのは、夜に壁の向こうから聞こえる、襲われる女性の泣き叫ぶ声だった。「見えない恐怖というものがあった」。大人によく言われたのが、中国人による子どもの拉致の噂。「大きなマントを着た中国人に気をつけろと言われた」。実際に拉致被害があったかはわからないが、当時の混沌と不安な日々を象徴していた。

 翌46年10月、日本に帰国できることになり、撫順駅から屋根のない貨物線に乗り、300Km先の送還拠点・葫芦島の港に到着。アメリカ軍の軍用貨物船に乗った。「積んであった戦車で遊んだ」と振り返る。

 軍から野営用の毛布と乾パンが支給され、他の家庭と境界がない空間で雑魚寝した。船内ではジフテリアの流行や、甲板から人が落ちたという話をよく聞いた。

 京都府舞鶴港に到着し、祖国の地を踏んだ。その後は現在まで満洲を訪れていない。「自分が生まれた病院も残っているらしい。行ってみたいとはずっと考えている」とこぼす。

「イマジン」への思い

 報道などで暮らしていた街が戦場となり逃げ惑う外国の子どもたちの映像を見ると、過去の自分と重ね合わせる。「戦争で一番悲惨な思いをするのは子ども」。反戦への意識を強くする。

 毎年8月には自身の体験を音楽とともに語る。また、ロシアによるウクライナ侵攻や、イスラエルのガザ地区空爆が始まった直後、ジョン・レノンの『イマジン』を流し、マイクを通じリスナーにこう語りかけた。

 「優しい心を持てば戦争がなくなるという気持ちを、今夜は『イマジン』に託しましょう」

心臓マッサージとAED学ぶ 27日、湘南慶育病院で公開講座

 湘南慶育病院(遠藤4360)は6月27日(金)、近隣住民を対象に市民公開講座「心臓突然死を救うのは市民のAED」を開く。同院の2階講堂で、午後1時30分から3時まで。

 当日は、慶應義塾大学名誉教授で同院循環器内科(特別外来)医師の福田恵一さんが講師を務め、心臓突然死の現状と、市民による救命処置の重要性を伝える。

 その後、心臓マッサージとAED(自動体外式

除細動器)の使用方法について、同院看護師が実践的なレクチャーを行う。

 救急車の到着までには平均10分かかるとされているが、実際にはそれ以上の時間を要するケースも少なくない。この空白の時間に心臓マッサージとAEDを適切に使用することで、救命率が大幅に向上するという。

 参加無料。申し込み不要。(問)同院【電話】0466・48・0050

「未来」を表現した空間(藤沢市アートスペース提供)

「時間」壁画で表現 アートスペース 地元作家の作品展

 辻堂神台の藤沢市アートスペースで企画展「LOST IN THE TIME Eastside Transition THE―MURAL―」が開かれている。入場無料。8月3日(日)まで。

 4月に同館から刊行された『もっともっと!あるいて。みつけて。ふじさわパブリックアート散歩』の関連事業。藤沢出身のアーティストなどで構成され、一昨年に江ノ電の市内駅に壁画を制作したアーティスト集団「Eastside Transition」の作品展となる。

 「過去・現在・未来」をテーマに、出入り口から、壁や床、天井などの空間中に時間の推移を表す絵が描かれている。恐竜や浮世絵などをモチーフにした作品や、メッセージを盛り込んだ壁画をブラックライトで照らし未来を表現した作品が楽しめる。同集団は「地元で作品展ができてうれしい。気軽に立ち寄っていただければ」と呼びかけている。

 6月28日(土)と29日(日)には同集団が講師を務め、壁面に貼られたTシャツにペンキの飛沫を飛ばすワークショップを開催する。各日とも午後2時開始と3時開始の2回各30分。参加費1500円。対象は小学生以上40人(各回10人)。先着順。

 申し込みは同館【電話】0466・30・1816に問い合わせ、または直接来館。

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完成した作品の思いを語るノグチさん

吹き抜けフロア全面 歯科医院にガラスの宇宙 「地元作家応援の風土を」

 湘南台にある星谷歯科医院で4月にオープンした予防フロアに、地元ガラス工芸作家ノグチミエコさんと職人がコラボレートした壮大な作品が登場した。

 同フロアは、予防歯科専門の施設に加え、講習会やコミュニティー会場として活用できる地域に開かれたスペースを設置している。その待合室ともなる高さ7メートルを超える吹き抜け壁面いっぱいに宇宙をイメージした作品が完成した。

 作品タイトルは「フラットラックス」。ラテン語で「光あれ」を意味する。中世の宇宙図をイメージしたといい、白い壁面に金属のオブジェと筆で無彩色の円環のラインが描かれ、銀河を閉じ込めたようなノグチさんのガラスの球体が16個はめ込まれている。その無彩色の光は階段を抜け2階フロアへと広がりを見せる。さらに照明カバーも吹きガラスで作られ、ノグチアートにあふれる空間となった。

 27日のお披露目でノグチさんは「宇宙誕生のビッグバンのように光をとらえ、希望にあふれた場所になれば」と思いを述べた。

 この試みはかねてより親交があった建物の管理をする星谷けい子さんが依頼したことがきっかけ。星谷さんは「もっとまちが地元作家を応援していく風土を作っていくべき」と訴えた。

参院選info



参院選 無所属・岡村氏 出馬へ75歳、相模原の会社社長

 参院選神奈川選挙区(改選定数4)に自動車部品製造会社社長の岡村三郎氏(75)が無所属で立候補すると表明した。

 岡村氏は輸入半導体商社を経て1994年、相模原市に「オーエス精工」を設立し、現在も社長を務める。5月21日の会見で「今の国会議員は世の中を変えられない。EUのようにペットを飛行機内に持ち込めるようにしたい」と述べた。

NHK党 堀川氏擁立へ 受信料制度見直し訴え

 参院選神奈川選挙区(改選定数4)にNHKから国民を守る党が会社員の堀川圭輔氏(51)を擁立することを決めた。

 堀川氏は2022年の参院選静岡選挙区、23年の豊島区議選に同党から立候補して落選している。5月29日の会見で「NHKの受信料制度は今の時代に合っていない」と述べ、受信料を支払った人だけが視聴できる制度の導入を訴えた。

立民・水野氏 不出馬を表明 パワハラ報道で陳謝

 今夏の参院選神奈川選挙区からの出馬を表明していた立憲民主党の水野素子参議院議員が5月21日、立候補辞退の会見を開いた。

 週刊誌でパワハラ疑惑が報じられた水野氏。「不快な思いをされた方に深くお詫びする」と陳謝する一方で、「事実誤認や誇張がある」とも述べた。今後については「今は残りの任期を全力で全うしたい」とした。
多くの来場者を前に講演する国分さん

戦略的にまちをつくろう 達人の講演に80人

 約30年で500カ所以上の都市再開発や地場の文化拠点整備で多くの「にぎわい」づくりを手掛けた国分裕正さんの講演会が先月22日、藤沢商工会館で行われた。地元事業主から議員、市役所職員、市民など80人近い人々が会場やオンラインで耳を傾けた。主催は藤沢商工会議所街づくり活性化委員会。50年先を見据えたまちづくりを実績のあるプロフェッショナルから学ぶことを目的にしている。

 国分さんは、沖縄の小規模商業施設を集め、無人島を年間330万人以上が訪れるようにした瀬長島ウミカジテラスや、大阪府営の住吉公園内の飲食店経営に挑戦できる仕組みを盛り込んだ「汐かけ横丁」などこれまでの実績を例にまちづくりについて講演。「人が集まる場所をつくる」と銘打ち、風土の継承、コミュニティーの創造、自然と共生する価値観のもと、家、職場や学校に次ぐ第3の居場所としてコミュニティーの核となる居心地のいい場所「サードプレイス」を提唱。固定概念にとらわれず「会話が中心に存在する」ことや「いいものを残すという強い気持ちを持つ」ことの大切さなどを訴えた。

 会場に集まった人からは「藤沢市内でもまちづくりが進められている。未来に向けてのものになっているのか考えさせられた」といった声が寄せられた。

クラゲとアジサイに彩られた館内(提供)

“えのすい”でも梅雨満喫

 新江ノ島水族館は今月30日(月)まで、館内イベント「”えのすい”の紫陽花」を開催している。梅雨の季節に合わせ、アジサイと水の生き物たちのコラボレーションを館内各所で展開する。

 館内ウェルカムラウンジでは、アジサイの生花とミズクラゲやギヤマンクラゲが展示された水槽がフォトスポットとして登場。同館担当者は「アジサイのいきいきとした姿とクラゲの透明感を楽しんでもらえたら」と話している。

 またクラゲファンタジーホールでは空間演出としてホール内にアジサイを投影するほか、相模湾ゾーンの「川魚のジャンプ水槽」では、川魚とニホンアマガエルがアジサイの演出と共に鑑賞できる。またテーマ水槽では10日(火)から、初夏の水辺の生き物としてサワガニなどが展示される。

 午前9時から午後5時(最終入場は午後4時)。(問)同館【電話】0466・29・9960。

ロゴ入りボードと都筑選手(提供)

プロサーファー都筑選手 日本交通と所属契約締結

 鵠沼海岸出身のプロサーファー、都筑有夢路選手(24)が先月9日、タクシー大手の日本交通(株)と所属契約を締結した。

 都筑選手は11歳からサーフィンを始め、2021年の東京オリンピックでは銅メダルを獲得。藤沢市民栄誉賞を受賞している。

 同社は2024年2月から都筑選手をサポートしてきた。今後、都筑選手は同社所属の選手として、日本交通のロゴを貼付したサーフボードを使用して大会に出場する予定。

 都筑選手は「日本を象徴する桜のマークを掲げ、夢に向かって全力で挑戦します」と決意を新たにした。

関東大会出場を決めた法政二との準々決勝で必死にトライを奪う日大藤沢の選手(提供)

日大藤沢ラグビー部 「規律とパッション」で狙う頂 きょう開幕、21年ぶりに関東へ

 日本大学藤沢高校ラグビー部が、きょう6日(金)から8日(日)まで栃木県・佐野市運動公園清酒開華スタジアムで開かれる「第73回 関東高等学校ラグビーフットボール大会」に出場する。関東進出は24回目を数えるが、21年ぶりの快挙。神奈川県内からは東海大相模、桐蔭学園、関東学院六浦、同部を含む4校、1都7県全28チームが参加し、7つに振り分けられた各ブロックの頂点を目指す。

 同部は先月10日に秋葉台公園で行われた関東大会神奈川県予選会で、法政二高に勝利を収めベスト4に。準決勝、3位決定戦では敗北したものの、予選4位で関東大会の出場権を獲得した。

 「徹底した守りが功を奏した」。大舞台への切符を手にした要因を向淳造監督=人物風土記で紹介=はこう語る。部員36人のうち約半分は高校から競技を始めた初心者ながら、相手の隙を突いてトライを奪っていった。

 毎年チームテーマが変わる同部。今年は「規律とパッション」を掲げた。藤沢ラグビースクール出身で、同部でキャプテンを務める林遥陽さん(3年)は「規律を守れなければ反則や失点につながる。荷物をきれいに並べるなど普段の生活にも落とし込み、プレーに生かしている」と説明。ランニングトレーニングでは「パッション」という掛け声で互いを鼓舞する。「走り負けて勝てなかった場面も多い。辛い時も皆と一緒なら乗り越えられる」といい、屈強な足をのぞかせる。

 高い目標意識を持って練習を重ねるも「全国レベルの常勝校は簡単に勝たせてもらえない」ということも認識している。「油断せずに自分たちの全てを出し切り、優勝したい」。高まる興奮を胸にグラウンドへ上がる。

 同部はあす7日(土)午前10時から、名門・東京高校との初戦を迎える。

湘南藤沢市民マラソン 参加ランナーを募集

 来年1月25日(日)に湘南海岸道路(国道134号)で「湘南藤沢市民マラソン」が開かれるのを前に、現在参加者を募集中だ。9月30日(火)まで。

 当日は午前8時30分開始。種目はハーフ(21・0975Km)男女、クォーター(約11・2Km)男女、親子ラン(約1・9Km)小学1・2年/3・4年/5・6年、チャレンジラン(約1・9Km)の8つ。参加料はハーフが8500円、クォーターが7千円、親子ランとチャレンジランが1組6千円。

 参加資格はハーフ・クォーターが大会当日15歳以上(中学生不可)。親子ランは小学生と保護者。チャレンジランは特別支援学校・学級に通う児童・生徒とその保護者が参加できる。

 参加者には記念Tシャツが贈られるほか、完走者には別途で記念品も贈呈される。ゲストランナーには、ふじさわ観光親善大使のつるの剛士さんやプロランナーのエリック・ワイナイナさんが登場する。

 問い合わせは同マラソン実行委員会事務局【電話】0466・22・3535。

大輪の花を咲かせるアジサイ=6月2日撮影

“こんもり”彩る淡い紫 川沿いでアジサイ見ごろ

 梅雨が間近に迫り、風物詩のアジサイが市内で見ごろを迎えている。大清水中学校前の「大清水境川アジサイロード」でも開花が進み、青や紫、ピンクなど色とりどりの大輪が道行く人の目を楽しませている。

 同所では、大清水中学校前の鷹匠橋から藤沢清流高校前の大清水橋間、境川の片側約400mにわたり、アジサイが植栽されている。地元住民らが「景観づくりと通学路の彩りに」と川岸を整備したのが始まり。有志が「アジサイ里親」となって育てたものを2006年に植え、手入れを続けてきた。現在は中高生も維持管理に協力。毎年”こんもり”と色鮮やかな花を咲かせるアジサイの見どころとなっている。2日、立ち止まって写真を撮影していた大鋸在勤の男性は「妻がアジサイが好きなので、帰って見せようと思って」と笑みを浮かべた。

清流高で祭り

 見ごろに合わせ、6月15日(日)に「第14回アジサイまつり」が開催される。午前10時30分から午後2時。小雨決行。荒天中止。会場は藤沢清流高校で、ステージ発表や模擬店、クラフト工作が楽しめる。主催する三者連携ふじさわ大清水心のかけはし会の担当者は「ぜひ見に来てもらえたら」と来場を呼びかけている。

無料ジュニアレッスン会 名門程ヶ谷CCが会場

 (公社)程ヶ谷基金が7月24日(木)と25日(金)、ゴルフ初心者、未経験の小学生を対象としたレッスン会を程ヶ谷カントリー倶楽部で開く。青少年育成のための公益事業で、参加費は無料。

 プロコーチとして著名な井上透プロ、ツアープレーヤー田島創志プロらによる実技指導、3ホール程度のラウンドを体験する。雨天中止。定員各日30人(応募多数の場合は抽選)で、応募は程ヶ谷基金HPから応募用紙をダウンロードし、郵送する。6月29日(日)必着。

 問い合わせは同倶楽部【電話】045・921・0115。

双子ヤギのマユ(手前)とカイ、入寮式で

慶応大・イータヴィレッジ 双子の草刈りヤギが入寮 学生主導で誘致実現

 慶応大学湘南藤沢キャンパス(SFC)内の国際学生寮「イータヴィレッジ」に先月29日、双子のヤギ2頭が迎え入れられた。寮生による有志チーム「ヤギプロジェクト」が寮内の除草を目的に企画し、誘致が実現。同日、入寮セレモニーが行われ、多くの学生や職員が新たな「寮生」の仲間入りを歓迎した。

 迎え入れられたのは双子の雌のマユと雄のカイ。2頭は今後5カ月ほどにわたって寮内に滞在し、除草作業を担当する予定。

 同寮ではかねてより、敷地内の斜面に外来種の雑草が大量発生し、その除草に苦慮していたという。こうした中、寮生で同室同士の飯尾美咲さん(20)とロプレスティみささん(19)は、寮父がふと漏らした「ヤギでもいたらいいのに」という言葉に着想を得て、「ヤギによる除草」に興味を抱いた。2人はヤギによる除草が他の場所でも実践されていることを調べ、イータヴィレッジでもこのアイデアを実現させようと決意。企画に共感した12人でヤギプロジェクトを立ち上げた。

 ヤギのレンタル・運送、小屋や電気柵の制作などにかかる費用は、クラウドファンディングで支援を募って調達した。ヤギ除草を導入していた他大学への視察や有識者にヤギの世話を教わるなど、入念な準備を進めていった。小屋の設計や制作を建築系の学生が手掛け、誰でも飼育に参加しやすいように日本語版と英語版の「お世話管理アプリ」を開発するなどメンバーの学生が力を合わせ、実現にこぎ着けた。

 現在メンバーは46人。発起人の1人であるロプレスティさんは「寮には多様な分野の学生がいる。それぞれの力を生かして、ようやくヤギがやって来た。アイデアを出し合ってお世話していきたい」とし、「今後ヤギを通じて地域交流もできたら」と展望を語った。 

関東大会出場を決めた法政二との準々決勝で必死にトライを奪う日大藤沢の選手=提供

日大藤沢ラグビー部 「規律とパッション」で狙う頂 6日開幕、21年ぶりに関東へ

 同部は先月10日に秋葉台公園で行われた関東大会神奈川県予選会で、法政二高に勝利を収めベスト4に。準決勝、3位決定戦では敗北したものの、予選4位で関東大会の出場権を獲得した。

 「徹底した守りが功を奏した」。大舞台への切符を手にした要因を向淳造監督はこう語る。部員36人のうち約半分は高校から競技を始めた初心者ながら、相手の隙を突いてトライを奪っていった。

 毎年チームテーマが変わる同部。今年は「規律とパッション」を掲げた。藤沢ラグビースクール出身で、同部でキャプテンを務める林遥陽さん(3年)は「規律を守れなければ反則や失点につながる。荷物をきれいに並べるなど普段の生活にも落とし込み、プレーに生かしている」と説明。ランニングトレーニングでは「パッション」という掛け声で互いを鼓舞する。「走り負けて勝てなかった場面も多い。辛い時も皆と一緒なら乗り越えられる」といい、屈強な足をのぞかせる。

 高い目標意識を持って練習を重ねるも「全国レベルの常勝校は簡単に勝たせてもらえない」ということも認識している。「油断せずに自分たちの全てを出し切り、優勝したい」。高まる興奮を胸にグラウンドへ上がる。

 同部は7日(土)午前10時から、名門・東京高校との初戦を迎える。

心臓マッサージとAEDを学ぶ 27日、湘南慶育病院で公開講座

 湘南慶育病院(遠藤4360)は6月27日(金)、近隣住民を対象に市民公開講座「心臓突然死を救うのは市民のAED」を開く。同院の2階講堂で、午後1時半から3時まで。

 当日は、慶應義塾大学名誉教授で同院循環器内科(特別外来)医師の福田恵一さんが講師を務め、心臓突然死の現状と、市民による救命処置の重要性を伝える。

 その後、心臓マッサージとAED(自動体外式除細動器)の使用方法について、同院看護師が実践的なレクチャーを行う。

 救急車の到着までには平均10分かかるとされているが、実際にはそれ以上の時間を要するケースも少なくない。この空白の時間に心臓マッサージとAEDを適切に使用することで、救命率が大幅に向上するという。

 参加無料。申し込み不要。問い合わせは同院【電話】0466・48・0050。

地名で知る市中部 15日 善行雑学大学

 市民に生涯学習の機会を提供する「善行雑学大学」の第313回講座が6月15日(日)、善行市民センター(善行1の2の3)で開かれる。

 テーマは「藤沢市中部の地名〜旧藤沢宿と大庭村を中心として」。藤沢地名の会会員の酒井郁子氏が講師を務める。

 同大学によると、市中部地域は昭和3〜50年代に開発された一大ベッドタウン。しかし近代の大規模開発によって一見すると個性が少なく、地理的特徴や土地の人が紡いだ歴史を知ることが難しくなっているという。

 講座では、自然現象のほか、そこに住んでいた人の名や慣習、伝承に由来するものが多い地名や地形に焦点を当て、土地の魅力を再発見する。

 午後2時から4時(受付開始は1時30分)。定員100人、一般500円(会員無料)。希望者は氏名・電話番号・住所(郵便番号のみ)を明記の上、メール(kataoka9@gmail.com)へ。