藤沢市は先月28日、4月1日時点で保育施設への入所を希望する待機児童数が17人だったと発表した。3年連続での増加を受け、市は来年4月までに保育所を新たに3カ所開所する見込み。保育所の新設は2023年以来2年ぶり。
市内の待機児童数は、12年度の379人がピークだった。市は保育所の新設など受け入れ枠を増やし、21年、22年度は待機児童ゼロに。しかし、23年度以降は増加が続いている。
こうした事態を踏まえ、先月29日に行われた会見で鈴木恒夫市長は、今年9月に辻堂駅周辺に認可保育園を1カ所新たに設けるほか、来年4月に湘南台へ1カ所新設、明治地区の小規模保育事業所を認可保育所化する方針を公表。221人受け入れ枠を増やし、再び待機児童ゼロを目指す。
保留児童は584人
待機児童17人に対し、市が受け入れ枠を大幅に増やす理由の一つに、保留児童の存在がある。保留児童は市の認可施設への入所を希望しているが、入所できず無認可施設に通っている、親が育休を延長している、特定の保育所を希望しているなどの人が含まれる。市内では待機児童ゼロとなった21〜22年度も保留児童は450人ほどで推移。昨年度は500人、今年度は584人いる。
希望10園書いても叶わず
出生数が減少しているにもかかわらず、共働き世帯の増加から高まる保育需要。市は申し込み用紙に希望園を記入する欄を10枠設けているものの、そのどこにも入れないといったケースも散見され、今年4月入所の1次申し込みでは約80世帯にも上った。
保護者の間では「加点(ひとり親や兄弟の有無、親が保育士などの理由で付与される点数)がないと入れないのでは」などといった声も上がっている。市が発表した4月入所の1次申し込み時の内定指数(各園1歳児内定者のボーダーライン)では、いわゆる加点のある世帯がボーダーとなった園が全体の約2割。そのほか父母のいずれも健康で週5以上、かつ1日7時間以上働く一般的な世帯がボーダーとなった園が約6割を占め、勤務形態が週4日などの職業に就く人にとっては厳しい状況にある。
市子ども総務課は「出生数の減少から、安易に増やすと将来的に供給過多となる可能性もあり、潮目が難しい」と話す。
また市では少子化や老朽化を理由に、公立保育園を段階的に減らすことも想定しており、23年度から柄沢保育園の入所申し込みを停止し、来年3月には閉園を予定している。明治保育園も周辺エリアの申し込み状況に応じて段階的に入所申し込みを停止し、閉園する流れとなっており、今後も慎重な需給の見極めが求められる。
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