藤沢版【6月20日(金)号】

市内虐待相談 昨年度から11・6%増 夫婦げんかから通告に

 神奈川県は5日、2024年度児童相談所虐待相談受付件数を発表した。藤沢市内の相談件数は1086件で、23年度の973件から11・6%増加した。夫婦げんかが発端となるケースが多く、通告の約4割が警察によるもの。虐待防止のために家庭への包括的な支援の強化が急務だ。

 県によると、藤沢、茅ケ崎、寒川の2市1町を管轄する中央児童相談所(亀井野)の相談件数は2054件。そのうち半分以上が、藤沢市内からの相談だった。

 心理的な虐待が709件で最多。両親の激しい夫婦げんかが子どもの心や脳にダメージを与える「面前DV」が典型的なケースだ。警察では夫婦げんかの通報があった際には、必ず子どもの安全を確認し、すべてのケースを児童相談所へ通告する決まりとなっている。

連携強化で防止の一手

 藤沢市では昨年4月、子ども家庭センターを設置した。保健センターが担ってきた「母子保健」と、市役所の子ども家庭課が担ってきた「児童福祉」の一体化を実施。それまで月に1度開いていた合同会議を2度に増やし、保健師や心理士、保育士など専門職による悩み相談の他、各家庭にあった行政サービスなどの紹介に力を入れてきた。

 設置から1年が経過した現在、警察からの通告が多い児童相談所とは異なり、こども家庭センターに寄せられる相談の多くが、子育てをする当事者からのものだという。同センターの担当者は「『子育てが辛い』といった相談が多く寄せられている。夫婦や家族間で相談できるのが一番だが、核家族化が進み、相談できずにいる人が増えている」と話す。

 こうした相談に対して同センターでは、必要に応じて各専門職が一緒に面会を行い、保育園への入所や経済支援制度の案内、子育ての当事者同士のサークルを紹介するなど、包括的な支援の模索を行っている。

 「家庭のバリエーションが増えている。行政側の連携を強めることで、今後も切れ目ないサポートを進め、虐待防止につなげたい」と担当者は話している。

善行地区郷土づくり推進会議の議長を務めている 渡邉 秀行さん 善行在住 53歳

子の地域参加、将来の糧に

 ○…地域性を生かしたまちづくりを目指し、市内13地区に設置されている郷土づくり推進会議。善行地区で10年間、まとめ役として地域の声に耳を傾けてきた。昨冬初開催したイベント「善行イイとこミッケ!〜善行をめぐる旅〜」では、地元の小中学生を実行委員として募集。子どもたちが中心となり企画運営を進めたことが話題を呼んだ。「皆、大人が思っている以上に主体性を持っていた。私たちも勉強になった」と振り返る。

 ○…建築設計業を営む2児の父。市民センターなどの改築に携わりたいとの思いから郷土づくり推進会議の公募委員に申し込んだのは、自身の第2子が生まれる前日のことだった。今では小学6年生になった我が子の成長と、これまでの活動に思いを馳せ、「一番大事にしてきたのは子ども目線で楽しいまちにできているかどうかかもしれない」と優しくほほ笑む。

 ○…善行生まれ善行育ち。「坂が多くて上ったり下ったりの移動は苦労するけれど、愛着もある。日常に絶対外せない存在」。幼い頃、地域の催しが活発に行われていたことも原風景として心に刻まれている。「車両通行止めにして神輿や山車が出て、盛大だった。人生初のバイトは、祭りで提灯をつけたこと」と懐かしむ。

 ○…だが地域の催しも、高齢化によって年々担い手が少なくなっている。「だからこそ、子どもたちに自分たちの住んでいるまちに関わってもらうことが大切」。善行イイとこミッケで、子ども実行委員を募ったのもそうした思いからだ。現在は次回に向け、新たなメンバーを募集。「次世代の担い手になってくれたらうれしいというのもあるし、何よりイベントを作り上げた経験が将来の自信につながれば」と期待を込めた。

長後で七夕まつり 28日から短冊飾りも

 長後駅東口ロータリーで7月5日(土)、「長後七夕まつり」が開かれる。七夕を通して地域のつながりを作ろうと、長後ファイト実行委員会が主催し、今年で3回目。時間は午後3時から8時。

 当日は金魚すくいや射的、エアートランポリンなどの催しが登場する他、キッチンカーのフード販売なども行われる。

 催しの一環として今月28日(土)から、ドキわくランド長後駅前店周辺に竹を設置。誰でも自由に飾りや短冊を飾ることができる。短冊は自分の願いと、他の人への感謝の気持ちを書いた合計2枚を持参する。

 問い合わせは同実行委【携帯電話】080・3428・8792(高見さん)

収穫したかぼちゃを持つ関根さん

「鵠沼かぼちゃ」 出荷最盛期 「おいしかった」 励みに 地元農家が魅力語る

 ねっとりとした食感が人気の「鵠沼かぼちゃ」が現在、出荷最盛期を迎えている。

 鵠沼で代々かぼちゃ農家を営んできた関根栄一さん(61)のかぼちゃ畑は、閑静な住宅街の中に位置する。4Rの畑から採れる数は毎年約2千個。今年も深緑の美しい実をつけた。

 鵠沼かぼちゃは日本かぼちゃの品種「はやとし」。切ると中は鮮やかなレモンイエローに染まっている。「煮物やてんぷら、サラダにしてもおいしい」と関根さんは太鼓判を押す。

 栽培は冬から、作業所でこめぬかに水をつけて発酵させた苗床を作る。昨今はビニールハウスの中での発芽が主流の中、昔ながらの手法で「昭和の初め、ひいじいさんの頃からやっている」と関根さん。種を撒き、3月に鉢上げ、4月に畑に移す。

 その後ビニールトンネルを被せ、春でも中は30℃ほどを保たせ、時には換気を行う。4月頃に黄色い花が咲き、受粉作業は6月下旬まで1つずつ手作業で行う。「毎朝4時台に受粉作業。より暖かくなるとミツバチがやってくれる」

 その後形を整え、JAさがみの「米ディハウスくげぬま」などに出荷される。

 細かな管理と作業で栽培されている鵠沼かぼちゃ。「『おいしかった』という声が励みになる。ぜひ今年も地元野菜を味わってもらえれば」と話した。

水田に生息するジャンボタニシ(JAさがみ提供)

「ジャンボタニシは無用」 稲食う外来種、一斉駆除へ

 コメの高値が続く中、水田の稲を食い荒らす淡水巻貝の外来種、スクミリンゴガイ(通称・ジャンボタニシ)による食害が藤沢市内でも確認されている。農家らで組織する城稲荷水利組合も対策に追われており、22日(日)には農家関係者の他、近隣の住民や児童生徒などと協力しながら大庭耕地で一斉駆除を実施する計画だ。

 ジャンボタニシは南米原産で、成貝の殻高は5〜8cmにおよぶ。日本へは1981年に食用目的で台湾から購入されたが、その後食用の養殖業は廃れ、野生化したジャンボタニシによる水稲の食害が西日本を中心に広がっていった。

 県内では2009年に平塚市で発見され、小田原市、秦野市、伊勢原市など多数の水田地域に繁殖域が拡大。うるち米や酒造好適米などを栽培する大庭耕地では、15年ごろから土中で越冬したとされる個体が現れ、被害が見られるように。19年から近くの小学校などと連携し、共同駆除を開始するに至った。

水田を守れ

 水田の一部がぽっかりと穴が開いたように稲がなくなったり、ぽつりぽつりと稲がなったりと、被害の状況はさまざま。水温が上がる田植時期に活性化し、雌貝は3〜4日ごとに200〜300個の卵を産む。卵は10日ほどで孵化し、約2カ月で成熟する。毒を持ち、用水路の壁面などにピンク色の卵がびっしりと付着する光景も見られるため、安全性や景観を守る観点からも迅速な対応が求められる。

 故郷の水田と景観を守ろうと、大庭耕地では6年前から地域総出で駆除作業を行ってきた。昨年は50リットルの肥料袋いっぱいに、5袋分のジャンボタニシとその卵を捕獲。おととしの駆除時と比べ、3袋分減ったという。

 JAさがみの担当者は「他の自治体では地域ぐるみでの駆除活動により、根絶した例もある」とした上で、「今後も皆一丸となって続けていきたい」と話した。

点検商法 相談件数が最多更新 「契約前に十分な比較・検討を」

 近年、市内で悪質な点検商法に関する相談が急増している。市消費生活センターに寄せられた2024年度の相談件数は115件にのぼり、過去5年間で最多を記録した。特に高齢者を狙った手口が目立っており、市は安易な契約に応じないよう注意を呼びかけている。

 業者が訪問や電話で突然消費者に接触し、「無料点検」などを口実に家屋や設備の状態を調べ、不具合を指摘して不要なリフォームや高額な契約を迫る点検商法。同センターによると、市内の点検商法に関する相談件数は22年度には40件、23年度には110件と年々増加傾向にあり、24年度には過去最多の115件を記録。25年度に入ってからも、4月1日から5月31日までの2カ月で既に25件の相談が寄せられているという。

 市内での事例としては、工事業者を装って訪問し「お宅の屋根の不具合が見えました。無料で点検します」などと持ちかけ、点検後に高額な工事契約を迫るケースや、「分電盤の無料点検に伺う」と電力会社を装って突然自宅に電話をかけてくる手口、自宅に業者が訪問し、まだ数年しか使用していない給湯器を「そろそろ買い替えた方がよい」と勧め、契約に至ってしまったケースなどが報告されている。

 こうした事例では高齢者が狙われやすい。24年度の相談件数115件のうち、94件が60歳以上の高齢者からの相談で、65歳以上からの相談では85件にものぼる。

 同センターは被害を未然に防ぐための対策として「メーカーや契約している電力会社ではない業者からの点検依頼で、少しでも不審に感じた場合は、電話やインターホン越しに毅然とした態度で断ること」「たとえ点検させたとしても、その場で契約せず、十分に検討する時間を持つこと」「契約する際は必ず複数社から見積りを取り、価格や内容を比較検討すること」などを呼びかけている。

 もし、訪問販売で不本意な契約をしてしまった場合、一定期間内であればクーリングオフ制度が適用され、契約を解除できる可能性があるという。

 契約に関するトラブルの相談は市消費生活センター【電話】0466・50・3573、消費者ホットライン【電話】188へ。

藤沢市 夏のボーナス平均約90万円

 藤沢市は12日、夏のボーナスにあたる期末手当、勤勉手当の支給について発表した。翌13日に支給した。

 特別職の職員、議員、一般職共に、昨年同期と比べて増額した。

 特別職では市長が265万3350円、副市長が222万6918円、教育長が191万212円、監査委員が172万687円。

 議会議員では議長が172万5862円、副議長が152万5762円、議員が141万3206円。

 一般職員の職員数は3979人。平均年齢は39・9歳、平均勤続年数は14・6年で、平均支給額は89万7011円だった(会計年度任用職員1810人を除く)。

 総支給額は43億7525万7475円(会計年度任用職員7億4400万8391円を含む)。

 いずれも税込。

若年男女がはしか感染 6年ぶり、市内で発生

 藤沢市は市内の20代女性が12日、10歳未満の男性が17日、はしかに感染したと発表した。市内ではしか患者が発生したのは6年ぶり。

 市保健予防課によると、女性は7日にはしかを発症。主な症状は発熱や発疹、鼻汁で、予防接種歴は2回あり、外国渡航歴はない。男性は10日に発症。発熱や咳、コプリック斑、発疹の症状があり、予防接種歴や海外渡航歴はない。女性から男性へ感染した可能性は低いと考えられ、感染経路は現在調査中という。

 保健所が患者の行動や接触者を調査すると、周囲に感染させる可能性のある時期に利用した施設があることも判明。不特定多数の人と接触していることが考えられる。女性はマカロニ市場藤沢店、テラスモール湘南、男性はウエルシア藤沢市民病院前店を利用。同課は利用から3週間の間にはしかを疑う症状が現れた場合は、事前に医療機関へ連絡の上、受診することを呼びかけている。

見回りをする参加者ら

地域の力で犯罪抑止に 辻堂で出張パトロール

 辻堂西町町内会は16日、町内での防犯活動のさらなる充実を図ろうと、警察署員や防犯協会役員らとともに町内を巡回する「出張防犯パトロール」を行った。辻堂地区防犯協会の働きかけにより、2022年から実施しているもの。

 普段同町内会では市民センターなどの協力を受けながら、夜の時間帯に週に4回ほどのパトロールを実施している。この日は同町内会のほか、辻堂地区防犯協会、藤沢警察署、市防犯交通安全課、辻堂市民センター職員など合計27人が参加。二手に分かれ、警察署員から「街灯の明かりが届かない暗いところや、外から家主の不在がすぐ分かる住宅などは狙われやすい」といったアドバイスや「車両の通行に気を付けて」などの指示を受けながら町内を巡回した。

 パトロールに参加した署員は「防犯意識が高いことをアピールする手段としても、パトロールは犯罪抑止に効果的」と話し、「普段住んでいる人ならではの視点があり、異変に気が付きやすいと思う。もし、不審なものや人物を見かけたらすぐに通報してほしい」と呼びかけた。

公開された動画の一場面

地元工務店と市が連携 自転車交通ルール動画で啓発

 (株)水村工務店がこのほど、自転車の交通ルールを啓発する約3分の動画を市と連携し作成した。同社公式ユーチューブやインスタグラムで現在公開されている。

 動画では、自転車の正しい乗り方や点検方法について解説。「自転車ピクトグラム」や「矢羽根」「バス停あり」などの道路標示、標識の見方を説明する他、一時停止線を守ることや、スピードの出しすぎ注意を呼び掛けている。

 モデルとナレーションは藤沢在住の中学生BMXライダー・尾後家優斗選手が務めている。動画は児童への啓発も目的としており、「自転車競技を専門とし、子どもたちと同世代の尾後家選手に登場してもらった」と同社は話す。

 普段は市内の道路整備工事を請け負う同社。自転車通行空間のある道も数多く手掛けている。「自転車の通行ルールの問い合わせが市に多数寄せられることや、自転車事故が後を絶たない現状に何かできればと考えた」という。

 市道路整備課は「民間企業が率先して啓発してくれることに感謝している」とし、同社は「少しでも事故がなくなるよう、ぜひ多くの人に見てもらえれば」と話している。

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歌手・俳優の高島健一郎さん

テノールの美声湘南台に 27日 駅地下コンサート

 湘南台アートスクエアプロジェクトによる「Hello Music」が6月27日(金)、湘南台駅地下アートスクエアで開かれる。午後5時から5時半。出演は海外のオペレッタで主役を務めるほか、日本でも男性声楽グループなどで活躍するテノール歌手兼俳優の高島健一郎さんとピアノ伴奏の川端宙輝さん。主催する同団体では「気軽に立ち寄って本物の音楽を楽しんで」と呼びかける。

 また同団体では音楽芸術発信活動を応援するエール会員を募集。個人は1口3千円から、事業者・団体では10口3万円から。10口、30口で特別会員になれる。事業者・団体はHPやチラシで名前を記載。グッズプレゼントなど特典あり。会員期間は1月から12月の1年間。詳細、申し込みは同団体HPか【携帯電話】070・1577・4513。

善行を盛り上げよう 子ども実行委員を募集

 善行地区郷土づくり推進会議(渡邉秀行議長=人物風土記で紹介)が、地域イベントの企画・運営を担う「子ども実行委員」を募集している。

 同会議は昨年、地元の子どもたちに郷土愛を育んでもらおうと、まち歩きイベント「善行イイとこミッケ!〜善行をめぐる旅〜」を地域の小中学生で構成される実行委員を主体に開催。第2回目の開催に向けて、改めて実行委員を募っている。

 実行委員は月に1、2回ほど善行市民センターに集まり、来年1月開催を目指してイベントの準備を進める予定。対象は、善行のことをもっと知りたい、みんなに知ってほしいと思っている小中学生で、善行地区以外からや初回以降からの途中参加も可。

 同会議は「ぜひ探求心を持った人にたくさん来てほしい。中学生も大歓迎」と呼びかけている。初回の委員会は7月13日(日)の午前10時から。

 問い合わせは同会議事務局(善行市民センター 地域づくり担当)【電話】0466・81・4431。

外貨を手にするRC会員

市内11RC 外貨募金をユニセフに

 児童福祉の向上に役立てようと、藤沢市を拠点に奉仕活動を展開するロータリークラブ(RC)第2780地区第3グループは外国通貨の募金に取り組み、12日に片瀬海岸のイルキャンティビーチェで集計を行った。10クラブ、1衛生クラブから約30kgにおよぶ通貨が寄せられ、日本ユニセフに寄付した。

 3年目を迎える事業。各RC会員の事業所など約20カ所に募金箱を設置し、ドルやセント、ウォン、元など、さまざまな種類の通貨が集まった。

 新井智代ガバナー補佐は「世界には貧困に苦しむ子どたちがたくさんいる。少しでも彼らの助けになれば」とし、今後も事業を継続するという。

インタビューに応える坂根氏

「司法をもっと身近に」 県司法書士会会長 坂根氏に聞く

 神奈川県司法書士会の会長続投が先月28日に決まったのが市内藤沢に事務所を構える坂根隆志氏だ。2期目の今、思いや重点施策などを聞いた。

――改めて司法書士という存在を教えて下さい。

 「司法書士は登記に加え、社会情勢の変化や法改正に伴い、財産管理、家族信託、成年後見など、時代と共に業務範囲が大きく変革してきました。特に成年後見制度では、社会に寄り添うため早くに専門組織を立ち上げ、制度開始と同時に会員を派遣できる体制を整えました。不動産が関わることが多い相続に関しても専門性を活かし、遺言など幅広いジャンルで『まちの法律家』として相談いただける存在です」

――2期目任期2年の舵取りを任されました。掲げるテーマ、その理由をお聞かせ下さい。

 「テーマは、やはり『司法をもっと身近に』です。1期目の時からそうでしたが、もっと市民に対し司法を知る機会を多く提供したいと思っています。相続放棄や貸金の請求を受けた時などで法律を知らなかったことで損をされる方が多く存在しますし、学生の方の消費者被害や労働問題についても、知ることで守れることがあると訴えていきたいと思います」

――重点施策は。

 「1期目からの継続ですが、やはり相談事業の拡充です。県内全域、地域の隅々までサービスが届くような相談体制づくりを進めてきました。引き続き取り組みを強化し、多くの市民の相談が受けられるようにしたい思います。

 加えて市民への周知を目的としたシンポジウムを年に2回は実施したいと考えています。内容としては登記とともに我々の本来の業務である相続に関するPRと権利擁護です。権利擁護としては、社会的弱者を救うことに取り組んでいます。昨年は自死対策のシンポジウムを開きましたが、まだまだ困窮者はいると感じており、広く手を差し伸べられるようにしたいと思います」

――活動活性に必要なことは。

 「各地域にある支部との協力、連携です。そのハブとなり軸となれるよう支部の皆さんと積極的に交流し、良いところや課題は共有し、拡大、解決し支部全体の活性化につなげたいと思います」

――市民に一言。

 「相続問題から経済的な困窮まで様々な分野で何か困ったことがあった時に『まず司法書士に相談してみよう』と思ってもらえるような、身近な存在として認知されるよう、これからも活動を続けていきたいです」

大会中の濱田選手(提供)

スポーツクライミング・濱田琉誠選手 世界二冠へ意気込み

 藤沢市山岳・スポーツクライミング協会所属の濱田琉誠選手(16)が、今年の国民スポーツ大会神奈川県代表選手に少年男子として選出された。

 一昨年に世界ユースB選手権でリード優勝した他、昨年の国スポや世界ユースB選手権でもボルダー優勝を果たすなどの実績を持つ濱田選手。平日は放課後に約4時間、休日は10時間に及ぶという練習をこなす。得意とするのは、ロープを支点に最上部を目指すリード競技だ。持久力が試される同競技の練習では「限界まで腕を追い込む。休みを空けず登り続ける」という方法をとる。ロープを使わず短い距離で瞬発力が試されるボルダー競技は「本番で緊張しないこと。自分のリズムを崩さないことが重要」と向き合い方の違いを分析する。今年度の目標は「世界でリード・ボルダーともに2冠を達成したい」と意気込んだ。

 濱田選手が同競技を始めたのは、10年前に秋葉台文化体育館での体験会に参加したことがきっかけ。「最初は遊びのつもりだったがのめりこんでいった」という。

 明後日6月22日(日)に同館で開催される「2025みらぞうカップ」では講師を務める。前回も講師を経験した濱田選手は「高さに対する恐怖心がある子などを指導し、初心に帰ることができた」とし「競技の楽しさをより多くの人に広めていきたい」と話した。

 大会は午前9時から。誰でも観覧可能。(問)秋葉台運動施設事務所【電話】0466・88・1111。

ピーク氏(湘友会提供)

戦後80年 語り継ぐ記憶 「ピーク先生」の実像に迫る 湘南高校OB 鈴木和臣さん

 開校から100年以上が経過した市内の進学校、県立湘南高校。記者は同校の歴史を調べる中で、「藤沢を戦火から守った」とされるアメリカ人教師「ピーク先生」の存在を知り、関係者に取材を試みた。そこで明らかになったのは、戦後80年の記憶を継承することの「難しさ」だった――。

 キラス・H・ピーク氏は1922年から翌年にかけて8カ月間、同校に英会話教師として在籍した。通説では、そこで湘南の魅力に触れたピーク氏が、太平洋戦争末期に軍需工場とされ、爆撃対象となった日本精工を「消費物資の製造関係の工場である」とかばう報告を国防総省に提出し、藤沢市街地は空襲を免れたとされていた。

 「だが、辻堂の関東特殊製鋼では、空襲被害があった」。同校OB会「湘友会」会員で、校内にある「歴史館」の運営に携わる鈴木和臣さんはそう語る。同会は新入生向けに配布する冊子『ようこそ湘南へ』も作成している。その冊子にも「湘南を戦火から守ろうとしたピーク先生」という項目があるが、「藤沢を戦火から守った」とは範囲やニュアンスが異なる。「ピーク先生の話は美談だが、疑問点が残る」と鈴木さんは話す。

 ピーク氏が米当局に意見を提出したのは、戦時中に対日戦略の経済情報分析を担っていたからだという。戦後は、米司令部の関係者として再び来日。東京で官僚となっていた教え子と再会し、上記のエピソードが明らかになったとされるが、鈴木さんは「旧知の仲とはいえ終戦直後に、それまで敵だった国民に対し、戦略的なことを気軽に話すだろうか」と感じた。

 「生徒に伝えるためにはエビデンスが必要」と鈴木さん。約10年前にピーク氏の逸話に関する史料や文献を探したが、「実証できるものはなく、本人から話を聞いた人も誰かは分からない」。開校50周年の記念誌にあるピーク氏が寄稿した文章に「町の真ん中にある工場を過ぎようとしたとき、『ああ、これがかつて国防総省爆撃目標課に報告したあの工場だな』という感慨にふけりました」とあることが唯一の手掛かりだが、その報告の詳しい内容は不明だ。

 また鈴木さんは「藤沢には他にも空襲被害があった。その事実を誤ってはいけない」とした上で、「戦争経験者が少なくなっている今こそ、歴史を正確に把握し、伝えていかなくてはならない」とも。ピーク氏は寄稿文で藤沢への率直な愛を語っており、「湘南が大好きだったことはうかがえる」。依然謎や疑問点が残るが、「歴史館で継承していきたい」と鈴木さんは話してくれた。
1日の監視体制を確認する志賀さん(左)と近藤さん

“若き命の番人”2人 水難事故を防ぐ心得は? 「海は楽しい、でも注意深く」

 7月1日(火)は海開き(辻堂は12日(土))。市内外から多くの人が海水浴場へと繰り出すが、水難事故のニュースも毎年報じられる。そこでNPO法人西浜サーフライフセービングクラブに所属する西浜パトロールキャプテンの志賀海征さん(22・鎌倉市在住)と、東浜パトロールキャプテンの近藤大輝さん(22・茅ヶ崎市在住)2人の若きライフセーバーに、海水浴を楽しむ上での注意点などを取材した。

 海水浴場でのトラブルの多くは、学生がはしゃぎ過ぎたり、親が目を離した隙に子どもが迷子になったりするケースが多いというが、特に油断できないのが飲酒者の入水だという。「波打ち際でも海に入ってすぐに転倒し、溺れてしまう。私たちも気づきにくく、注意が必要」と志賀さんは浜辺で目を光らせる。

 また近年よく耳にする「離岸流」にも気をつけなければならない。岸から沖へ向かって流れる潮流のことで、ライフセーバーは早朝に横一列になって海へ入り、流れを確認する「地形チェック」を行う。砂が柔らかい、深い箇所は流れが変わりやすく、その日に離岸流の発生が予測される箇所を避けたエリアに赤黄のフラッグを立て、入水場所を調節。なかでも鵠沼の監視塔の詰所前で発生しやすいという。

 心肺蘇生や救助技術などを熟知するライフセーバー。近藤さんは「事故を防ぐ準備はしてきた。でも危ない時は指摘や助言をすることもある。誰もが安全で楽しめる場を確保するため、理解してもらえれば」と語った。

選手宣誓を引き当てた田中さん

高校野球 172チームの組み合わせ決定 7月7日に開会式

 「第107回全国高等学校野球選手権神奈川大会」の組み合わせ抽選会が14日、関東学院大学関内キャンパス(横浜市中区)で開かれた。開会式は7月7日(月)の午後4時から横浜スタジアムで、1回戦は9日(水)から行われる。

 県内188校から今年は連合6チームを含め、172チームが出場する。県内12会場で熱戦が繰り広げられ、決勝戦は27日(日)に同スタジアムで予定されている。

 希望した107人の中から抽選で決めた選手宣誓は、慶應義塾高(横浜市港北区)が引き当てた。主将の代理でくじを引いた主務の田中良汰さん(3年)は「まさか当たるとは思わず、すごくうれしかった。(主将には)最後の大会にかける想いを全球児を代表して横浜スタジアムに轟かせてほしい」と話した。

 藤沢から参加するのは、日大藤沢(第2シード)、湘南工科大附(第3シード)、藤嶺藤沢(同)、湘南、湘南台、慶應藤沢、藤沢清流、藤沢西、藤沢翔陵、湘南学園のほか、藤沢総合・深沢・藤沢工科の連合チームの11チーム。

トークセッションする(左から)つるのさん、鈴木市長、湯浅会長

市観光協会 法人化30周年祝う つるのさんも激励

 (公社)藤沢市観光協会は、今年4月で法人化30周年を迎えた。それを記念した式典が17日、湘南鎌倉クリスタルホテルで開催。当日は、観光事業に携わる会員や来賓ら含め100人以上が出席し、節目を祝った。

 冒頭マイクを握った6代目会長を務める湯浅裕一さんは、昨年の市内年間観光客数が過去最多となる2040万人を記録したことに触れ、「2千万人の目標に向け、たくさんの方々のご支援のおかげで達成できた」と来場者に頭を下げた。また観光客増の要因にインバウンドの比率をあげ、「コロナ禍前の2019年以前は圧倒的に日本人が多く、外国の方が約1割だったのに対し、昨年は3割強を占めた。アジアのほか、欧米から来る人も増えた。今後ますます世界から注目される藤沢・江の島を認知してもらえるよう、関係者と共に努力していきたい」と決意を新たにした。

 ふじさわ観光親善大使のつるの剛士さんもゲストで駆けつけた。ステージに登壇したつるのさんは「藤沢には素晴らしいポテンシャルがある。私も観光客に喜んでもらえるようなことを提供していきたい。おめでとうございます」と激励。その後、湯浅会長と鈴木恒夫市長とのトークセッションを通じ、これまでの労をたたえ合った。

6〜8月号の表紙

文化芸術情報を一冊に 県内のイベント紹介

 神奈川県はこのほど、県内の魅力的な文化芸術イベント情報をまとめた冊子「イベントカレンダー」の6月〜8月号を発行した。

 文化芸術の魅力で人を引きつけ、地域のにぎわいをつくり出す「マグネット・カルチャー」(マグカル)の取り組みを推進する県発行の冊子で、県内文化施設の公演や展示情報などが毎号、カレンダー形式で紹介されている。

 今号の特集は鬼太鼓座の和太鼓奏者、木下直人さんのインタビューや藤沢市内でアート巡りが楽しめる冊子「ふじさわパブリックアート散歩」を紹介。チケットが当たるプレゼントも。

 冊子は県内各文化施設や一部の商業施設、自治体などで、無料で受け取ることができる。

モノレール写真を募集 入賞作はカレンダーに

 湘南モノレール(株)は今年3月に開業55周年を迎えたことを記念し、2026年のカレンダーに掲載する写真のコンテストを実施している。応募期間は8月31日(日)まで。

 テーマは「湘南モノレールと、その風景」。作品は同モノレールと、その沿線の季節感あふれる風景など、個性豊かな作品を想定している。

 プロアマ不問だが、応募者は作品の著作権を持つ撮影者本人に限る。過去に撮影した作品でも応募可。横構図でカラー写真。画像データ1作品あたりのファイルサイズは10MB以下、ファイル形式はJPEG。応募点数に制限はない。

 審査員は、写真家の遠藤真人さん。応募作品の中から最優秀賞1点、優秀賞13点が選ばれ、来年の同社カレンダーに採用される。入賞者には特別乗車証やカレンダー、協賛賞も用意されている。

 詳細や応募は、同社ホームページ(https://www.shonan-monorail.co.jp/)から。

ボトル印刷の一例

ふじキュン♡ボトルいかが? いざに備える防災グッズ

 阪神・淡路、東日本、能登半島と大地震が起きるたび、災害に向けた備えの大切さが再認識される。タウンニュースではいざという時に役立つアイテムがまとまった「防災ボトル」に、藤沢市公式マスコットキャラクター「ふじキュン♡」のイラストと団体名などを印刷したオリジナル商品の取り扱いを開始した。

役立つ5点セット

 水などを入れられるフタ付きボトルに入っているのは【1】救助要請を知らせる笛【2】LEDライト【3】ペットボトルキャップ1杯の水で元のサイズに戻る圧縮タオル【4】保温大判アルミシート【5】ジッパーバッグの5点。ボトルは500ミリリットルのスリムサイズで飲用にも使用できる。

300本から取り扱い

 取り扱いは300本から可能で、価格は1本あたり880円(税込)。また、防災トイレや安否確認タオルなど、さまざまな防災グッズの中から選びたいという人には、総合カタログも無料で届けるサービスも実施中。

 問い合わせは、営業推進部【電話】045・913・4141(平日午前9時〜午後6時)。

音楽奏で復興願う 21日 市民会館

 第13回「震災復興支援コンサートinふじさわ」が21日(土)、藤沢市民会館で開催される。午後1時半から3時半(開場1時)。入場500円、学生以下無料。なお収益などはすべて震災復興支援の活動費になる。

 テーマは「放射能から子どもを守ろう」。東日本大震災や原発事故による被害の記憶を風化させず復興を願う思いが込められる。当日は藤沢合唱団が復興の歌である「しあわせ運べるように」などを披露するほか、朗読やフルート演奏、「福島の子どもたちとともに・湘南の会」によるプログラムも。

 問い合わせは荒井さん【携帯電話】080・3018・8191