神奈川県は5日、2024年度児童相談所虐待相談受付件数を発表した。藤沢市内の相談件数は1086件で、23年度の973件から11・6%増加した。夫婦げんかが発端となるケースが多く、通告の約4割が警察によるもの。虐待防止のために家庭への包括的な支援の強化が急務だ。
県によると、藤沢、茅ケ崎、寒川の2市1町を管轄する中央児童相談所(亀井野)の相談件数は2054件。そのうち半分以上が、藤沢市内からの相談だった。
心理的な虐待が709件で最多。両親の激しい夫婦げんかが子どもの心や脳にダメージを与える「面前DV」が典型的なケースだ。警察では夫婦げんかの通報があった際には、必ず子どもの安全を確認し、すべてのケースを児童相談所へ通告する決まりとなっている。
連携強化で防止の一手
藤沢市では昨年4月、子ども家庭センターを設置した。保健センターが担ってきた「母子保健」と、市役所の子ども家庭課が担ってきた「児童福祉」の一体化を実施。それまで月に1度開いていた合同会議を2度に増やし、保健師や心理士、保育士など専門職による悩み相談の他、各家庭にあった行政サービスなどの紹介に力を入れてきた。
設置から1年が経過した現在、警察からの通告が多い児童相談所とは異なり、こども家庭センターに寄せられる相談の多くが、子育てをする当事者からのものだという。同センターの担当者は「『子育てが辛い』といった相談が多く寄せられている。夫婦や家族間で相談できるのが一番だが、核家族化が進み、相談できずにいる人が増えている」と話す。
こうした相談に対して同センターでは、必要に応じて各専門職が一緒に面会を行い、保育園への入所や経済支援制度の案内、子育ての当事者同士のサークルを紹介するなど、包括的な支援の模索を行っている。
「家庭のバリエーションが増えている。行政側の連携を強めることで、今後も切れ目ないサポートを進め、虐待防止につなげたい」と担当者は話している。
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