重症心身障害児者等 多機能型拠点「郷」が開所 継続的な支援を可能に
医療的ケアを必要とする重症心身障害児者等とその家族を対象とした「横浜市多機能型拠点 郷」(生田目昭彦施設長/桂台中2-1)が10月1日、開所した。運営は社会福祉法人 訪問の家(名里晴美理事長)。横浜市は「中期4か年計画」や「将来にわたるあんしん施策」の取り組みの一つとして、市内6カ所に多機能型拠点を整備する計画を進めており、同所はその1館目となる。
市内に約900人いるとされる重症心身障害児者。重症でない人を含めても、半数以上が痰の吸引や経管栄養などの日常的な医療行為を必要としており、本人や家族の負担も大きく、高齢化などの問題もあることから、支援体制の構築が急がれてきた。
市内南西部方面の拠点となる同所は、栄区、港南区、戸塚区が対象。施設内に診療所を設けており、家族の休養や所用、緊急時に宿泊できる「短期入所」や「日中一時支援」のサービスを医師がバックアップ、登録者を対象にした外来も行う。また、相談窓口や居宅介護のサポートも実施。情報を発信し、地域交流の機会なども設けていく。さらに来年度以降には訪問看護も始める予定だ。
同法人は、重心者が通所する生活介護事業所「朋」の運営も行っているが、「高齢化で通いにくくなっている現状がある」とし、体制が整うことで「普段の生活ペースを変えることなく、ケアができる。今までは医療的ケアが必要な人は短期入所ができなかったため、短期入所が可能になったことは大きい」と話す。
9月22日には開所式が行われ、尾仲区長をはじめ、多くの人が開所を祝った。施設職員は「地域や利用者からさまざまな要望が寄せられている。それらを受け止め、どう応えていくか、考えていきたい。専門の知識を生かして、障害の有無に関わらず、介護相談などもできれば」と話している。 利用には登録が必要。問い合わせは同所【電話】045・443・7666へ。
|
|
|
|
|
|