神奈川中央交通 尾月バス路線が開通 10年越しの要望、叶う
神奈川中央交通(株)は10月15日、JR港南台駅を発着する湘南桂台方面のバス路線「尾月バスルート」を新設し、運行を開始した。高台にある同地域の高齢化が進み、公共交通機関として路線バスの重要性が高まる中、10年以上前から地元自治会と同社が協議を重ねてきた待望の新路線。15日には地域の人たちや関係者が集まり、開通式を行って祝った。
新設されたバス路線は、港南台駅から尾月を経由し、桂台中央までを結ぶ路線と、港南台駅から尾月や上之を経由し、港南台駅に戻る循環路線。「尾月」、「上郷小学校前」(桂台中央方面のみ停車)、「花篭公園前」、「霧が淵公園前」(港南台駅方面のみ停車)のバス停も新設され、1日20便前後が運行する。
今回バス路線が開通した地域は、昭和40年以降に開発された環状4号線周囲に広がる高台の住宅地。近年は高齢化が進んでいるが、バスを利用するためには起伏の多い道を10分程度歩いた「上之」などのバス停か、急な坂を下り環状4号線沿いにある「山手学院入口」バス停まで出るしかなかった。
こうした状況を受け、2002年に神奈川中央交通側が地元自治会にバス路線の再編を提案したものの、既存路線の通る周辺地域からは、再編に伴う路線の廃止や減便を懸念して反対の声があがり、頓挫した。しかし、路線のない尾月や亀井町、フローラ桂台自治会などからの要望は根強く、その後も協議を続けてきた。
09年には、既存の路線を残して再編することで周辺地域も合意し、具体化。既存路線が一部減便したものの、地域を走るバスの運行本数は増える形で、今回の路線新設に繋げた。
待望のバスに大きな拍手
運行が開始した15日には、「上郷小学校前」バス停に尾仲区長をはじめ、神奈川中央交通(株)横浜営業所の清野直樹所長や栄警察署長、地元自治会町内会長、上郷小学校はまっ子の児童らが集まり、開通式を実施。多くの乗客を乗せたバスが姿を見せると拍手で迎え、地域住民と児童の代表者が清野所長と運転手に花束を贈呈した。
上郷西連合町内会自治会の本多淳一会長は「路線は一本でも多いほうが良い」と新設を喜び、「大船駅から上之を結ぶ路線も港南台駅まで伸ばしてほしい」とさらなる利便性の向上に期待を寄せていた。
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