第47回衆議院総選挙の投開票が12月14日に行われた。4人によって争われた神奈川4区(栄区・鎌倉市・逗子市・葉山町)では、無所属の浅尾慶一郎氏(50)が9万1千余票を獲得し、小選挙区を制した。自民党・山本朋広氏(39)も比例区での復活当選を果たした。共産党・加藤勝広氏(70)、無所属・荻原隆宏氏(44)は支持を広げることができなかった。
午後8時10分すぎ、当選確実が伝えられると事務所に詰めかけた支援者からは歓声とともに浅尾コールが沸き起こった。浅尾氏は「厳しい選挙ではあったが、皆さんのおかげで当選することができた」と安どの表情を浮かべた。
代表を務めたみんなの党を解党し、初めて無所属で臨んだ今回の総選挙。比例復活のない”背水の陣”だったが、これまで築いてきた地盤や知名度を生かし、自民党の山本氏に3万票近く差をつけた。支援者を前に「無所属で選挙活動に不利な点はあったが、利害関係が全くない状態で当選できたことは日本の政治を変えていくきっかけになる」と言葉に力を込め、万歳三唱で喜びを分かち合った。
選挙戦で繰り返し訴えたのは政界再編の必要性。1強多弱と言われる今、「日本の政治に緊張感をもたらすためには改革勢力を結集するべき」とし、「単なる批判ではなく具体的な代替案を示すことが必要だ」と道筋を示した。与党が定数の3分の2を上回る議席を獲得し、圧勝したことについて「野党が守りの姿勢に入った結果ではないか」と分析。今後は「政策のもと既存政党という衣を脱ぎ捨て、大きな政界再編に飛び込もうと呼びかけていく」と抱負を語った。
未明の朗報に笑顔なし
鎌倉駅前の山本氏(自民)の選挙事務所には、午後8時前に次々と支援者らが集まり始めた。同10分すぎ、早くも「浅尾氏当確」の一報が流れ、10時40分には山本氏が「敗北宣言」。比例での復活を待つ支援者の多くは事務所を去ることなく、開票の行方を見守った。
日付が変わった午前0時20分、事務所のテレビが比例での「当選確実」を知らせると、大きな歓声が上がった。続いて姿を現した山本氏に笑顔はなく、小選挙区での敗北を詫び、「責任あるバッジをもらい、再び国政で働かせていただけることになった。皆さんの声をきちっと届けていきたい」と話した。選挙期間中は、安倍晋三総理大臣や菅義偉官房長官ら党幹部が続々とかけつけた。
栄区内に拠点があった加藤氏(共産)は「前回選挙の時と比べ『がんばって』の声、ビラの受け取りが増えた。消費税が最優先ではなく集団的自衛権、TPP、沖縄の基地問題、政治と金の問題等が批判票としてあった」と選挙を振り返った。
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