栄警察署(小森安晃署長)管内で発生した振り込め詐欺の被害は、7月23日時点で9件、約1800万円だと分かった。前年の同時期と比べて件数、被害額ともに大きく減少しているが、手口が多様化していることなどから、同署は依然として注意を呼びかける。
被害の内訳は、オレオレ詐欺が7件(未遂1件含む)、架空請求詐欺が2件。全体の被害は前年の同時期と比べて件数が12件減、被害額は約6900万円減となっている。
同署管内では昨年1年間で27件(未遂1件含む)、約1億80万円の被害が発生した。この状況に対し、同署はパトカーによる広報や金融機関への呼びかけなどを強化。さらに神奈川県警は今年2月を特殊詐欺撲滅対策推進強化期間とし、同署では駅前での広報活動、宅配業者やコンビニ、バス・タクシー会社などへの呼びかけを重点的に行うなど、被害撲滅へさまざまな対策を講じてきた。
今年は1、2月は0件だったが、3月に入り、被害が発生し始め、以降毎月被害が出ている。同署生活安全課の担当者は「被害は県下全域で減少傾向にあるが、いつ増加するか分からない。今後も手を抜かずに警戒していく」とコメント。
手口は多様化
手口としてはこれまで同様に、息子や孫などになりすました「オレオレ詐欺」が多数を占める。4月に検挙した例も息子をかたった男から「電車の網棚に小切手の入ったカバンを忘れた」という典型的な語り口から始まった。この時は電話を受けた60代の男性がすぐに異変に気づき、警察へ通報。同署の指示に従って騙されたふりをして、受け渡すところを現行犯逮捕した。
また架空請求詐欺では「債券購入のため、あなたの名義を貸してほしい」という口実の電話から、貸した相手に「名義貸しは違法でこのままだと逮捕される」と後に脅し、現金を送らせる手口や、インターネットの利用料を名目とした手法などが見られる。
一方で、現金を引き出す際に金融機関の窓口で止められないためのカムフラージュとして自動車のカタログを用意させて金融機関へ行くように指示をするなど新たな手口も。同署によると今のところ県内ではこのような事例は出ていないというが、今後被害につながる可能性もある。
同課担当者は「手口や口実はさまざまあるが、電話でお金の話が出た時は詐欺だと思って」と強調し「手口も巧妙化し、油断はできない。変だと思ったらすぐに通報してください」と注意を呼びかける。
問い合わせなどは同署【電話】045・894・0110。
栄区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|