横浜市の歴史的建造物に区内で唯一認定されている昇龍橋について、市では今後架け替えではなく補修を行って保存していく考えを示した。100年近く残る市内最古の石橋として、区民からも親しまれている。
今回、市は昇龍橋を含めた市歴史的建造物に認定されている4つの橋を、補修して保存していく考えを示した。市道路局橋梁(きょうりょう)課の担当者は「古くなったから壊すのではなく、そのままの形で保存していく」と話し、今後5年以内を目途に点検を行って劣化状態などを確認し、専門家の意見を参考にして必要な補修を実施していくという。
これまでに市は1923年の関東大震災以降に建設された「震災復興橋梁」について、市内に現存する41橋を歴史的な資産として残していく方針を決めていた。しかし、先日行われた市会決算特別委員会で「震災復興橋梁以外でも歴史的価値の高い橋梁は保全すべきでは」という質問があがり、市から鶴見区の響橋や中区の霞橋、南区の浦舟水道橋と合わせた4橋を保全する方針が示された。
区内で唯一の認定
市は1988年、近代建築や西洋館、農村の風情を伝える古民家や社寺といった歴史的資産をまちづくりの資源と位置付け、その保全と活用を図っていくために「歴史を生かしたまちづくり要綱」を施行。要綱に基づいて歴史的建造物の「登録」「認定」を進めており、昇龍橋も2001年度に認定された。現在、区内での認定は昇龍橋の1件のみ。
昇龍橋は長倉町にある大正4年(1915)頃までに建設されたとされる市内最古の石橋。現在は散策コースの一部にもなっており、区民にも親しまれている。
長倉町を一部とする上郷東連合町会の吉田敏生会長は「日常的に多くの人が使う橋ではないが、いたち川沿いの遊歩道が整備されてから歩く人も増えた。和太鼓『昇龍』の名前もあるように、地区内でその名は広まっている」と話す。
栄区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|