障害者や高齢者の支援事業を展開する社会福祉法人訪問の家(桂台中/名里晴美理事長)が設立から30周年を迎えた。1月24日に開かれた記念式典には、節目を祝おうと約300人が集結。これまでの年月を振り返るとともに、未来へ向けて新たなスタートを切った。
訪問の家の歴史は、1986年に重症心身障害児者といわれる重い障害のある人たちの通所施設として「朋」を開設したところから始まる。
重症心身障害とは、重度の肢体不自由と重度の知的障害とが重複している状態のこと。横浜市では1972年から市立中村小学校に重症心身障害児への訪問学級を開始した。当時は重い障害のある子どもたちのための施設が市内にはなく、同校を卒業した子どもたちが卒業後も通える場所として「朋」は誕生。建設が決まった当初は地域から「この場所ではなくても」などさまざまな意見が上がったというが、現在では「朋」で行うイベントには毎年多くの人が集まり、地域住民にも親しまれる施設となった。
法人として「朋」の開所後は、グループホームの開設や地域ケアプラザの運営委託を進めるなど事業を拡大し、隣接する磯子区や旭区でも施設を展開している。
300人が祝福
鎌倉芸術館で開催された記念式典には尾仲富士夫栄区長や磯崎保和栄区連合町内会長をはじめ、長年訪問の家と親交のある株式会社ファンケルの池森賢二代表取締役会長、神奈川大学の浅野史郎教授などが出席。さらに訪問の家にこれまで関わってきた人々や、地域住民なども含めて約300人が集まった。
会場では来賓からの祝辞や施設を利用するメンバー、家族たちから言葉が贈られた後、設立時に理事長を務めた日浦美智江前理事長による記念講演も実施。さらに、名里理事長から法人への理解や支援などを続けてきた団体や個人に対して感謝状が贈呈された。
名里理事長は「何よりもまずお世話になった人たちとこれまでの年月を振り返り感謝したいです。これからも一人一人の思いを大事に、人と人とのつながりを大切にして事業運営を進めていきます」と話した。
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