「学級崩壊」を考える
子どもの健やかな成長は親だけでなく県民の願いでもあります。次代を担う子どもたちをどう育てていくかは、大変重要な問題です。
学校教育は、子どもたちが生涯を通じて基礎となる知識や社会性を身につけていく重要な機会です。そこでの良し悪しは、社会人としての今後を左右すると言っても過言ではありません。
学校は知識の習得だけでなく多様な人がいること、ルールを守ることが大切であること等、社会性についても学ぶ場です。社会で認められないことは学校でも認められないということを教える必要があります。
しかし、学校現場においては暴力行為やいじめ、不登校など様々な問題があり、「学級崩壊」の問題についても顕在化して久しく、大変憂慮される状況です。
県内公立小学校において「正常な学習活動ができなくなった学級」、いわゆる学級崩壊の状況は、2012年度に197学級で発生しています。この状況は30人1学級とすると、年間6千人の児童に影響していることになります。これは学校だけではなく社会全体の大きな課題であり、何らかの対処が必要です。
ルール違反への対応
問題は、ごく普通の子どもたちがある一部のルールを守らない子どもたちの行動によって授業が受けられず、その時期の学習内容が欠落し、さらにはルールに従わなくても何も指導を受けない状況を見て「ルールに従わなくていい」と錯覚し、ひいては学級全体の規範意識が薄れていくことにあります。集団生活を送る上でのルールを身につけることが学校の果たす役割の一つであるならば、子どもたちにルールを守らなければペナルティを受けることをきちんと教えるべきです。
「怖い」存在の大人必要
学級崩壊が起こる背景には、子どもたちを取り巻く環境の変化や教育力の低下がありますが、学校でも家庭でも「間違った行動は決して許さない」という大人の強い姿勢が大切です。
現状の学校では、教師が子どもをしっかりと叱ることができないため、子どもが教師や大人に畏敬の念を抱くことの欠如につながっていると思います。
今の社会風潮で大人と子どもの峻別がない未熟な社会が、子どもたちに誤解を与えているともいえます。大人は子どもにとって悪いことをしたときは怖い存在であるべきです。
「人の心の痛み」を子どもたちにしっかりと伝えなければならないと考えます。
確かな学力の向上1月26日号 |
|
神奈川県予算に対する要望1月12日号 |
|
|
|