特定非営利活動法人「チーム杉劇」の初代理事長として活躍する 中里 順子さん 中区在住 65歳
温かい目線に教師の面影
○…目線の高さを相手に合わせ、相手の思いに寄り添う―特定非営利活動団体「チーム杉劇」の理事長は、思いやり溢れる温かい女性だ。チーム杉劇は2013年3月に区民文化の底上げをめざして設立。音楽や演劇といった文化活動に取り組む団体を支援し、杉田劇場や公会堂などの施設の活性化をめざす。文化活動のレベルアップに向け、「様々な団体をつないでコラボレーションさせていければ」と夢を語る。
○…磯子区に26年暮らし、中学校の理科教諭として19年働いた。岡村中学校が初任地で、根岸中学校では校長を務めた。「磯子は非常に愛着のある地域」と穏やかに語る。自然の残る氷取沢市民の森や、梅が鮮やかな岡村天満宮は、今でもお気に入りの場所だ。
○…子どもの頃から内気な性格。大学卒業後、研究室に勤めたのも「人と話さなくていいと思ったから」。数年働いた後、思うところあって教員を志す。1年間での単位取得と採用試験合格を目標に、働きながら夜間大学に通った。既に結婚もしており、仕事と家庭と学業に追われる毎日。休む暇もないほど大変だったが、「自分で学費を払った分、授業中に眠ることはなかった」。当時を思い出し、「夜間大学のユニークな仲間と過ごす放課後も楽しかった」と笑顔を見せる。その表情は、内気だったという子ども時代を感じさせない人懐っこさだった。
○…プライベートでは3人の孫のおばあちゃん。孫たちとの電話には頬を緩めてばかりだ。また、芸術や文化への関心も高い。よくオペラやバイオリンの鑑賞に出かける。最近ではオーケストラの演奏も「それぞれの楽器を聞き分けられるようになってきた」と嬉しそうに話す。これからの自分の役割は「教育現場での経験を社会に還元すること」。特に大切にしたいと考えるのは若い世代のバックアップ。相手を思いやる姿からは、温かい教員の面影が垣間見えた。
|
|
|
|
|
|