磯子図書館で行われた紙芝居の演じ方講座で講師を務めた 片岡 直子さん 南区在住 54歳
出会い重ね、物語描く
○…手作り紙芝居作家として、地域にゆかりあるエピソードやその町に伝わる昔話を紙芝居で披露する。磯子図書館で行われた講座では、その演じ方も講義。「私が教えるなんておこがましいけど」と謙遜するも、「紙芝居に関わると様々な出会いがある」と、魅力を伝える言葉に熱がこもる。
○…初めて紙芝居を作り、演じたコンクールで準優勝したのが20年前。「作品がウケてドッと沸いた瞬間、体が痺れた」と振り返る。以来創作にのめり込み、次々と新しい作品を発表。「どれも登場人物に心を重ねて作っている」とした上で、磯子にゆかりある『いそえもんの石けんづくり』は思い入れの深い作品。「調べてみると、磯右衛門の家は母の実家の近くにあったり、ゆかりある人と出会えたり」。時を越え出会った主人公の一面に感激する。理事を務める紙芝居協議会の運営で悩んだ時は「困難な状況でも前向きに石鹸作りを続けた磯右衛門のセリフに励まされる」と、照れ笑いを浮かべる。
○…南区の蒔田出身で、子どもの頃は大の父親っ子。新聞部に憧れ伝統ある県立翠嵐高校に進学し、締切に追われる毎日を送る。修学旅行には徹夜で参加。「移動中もずっと寝ていたり、記事のタイトルを伝えるため学校に電話をしていたり。旅程なんてそっちのけ」と笑う思い出も、昨日のことのように鮮明だ。大学卒業後は中学校で社会科の教員に。授業に関心を持ってもらおうとイラストなどで授業を解説する『社会科通信』を作成。地域の昔話を扱う紙芝居のルーツにも繋がっている。
○…夫と茨城で働く息子、今春就職する娘の4人家族。相撲の作品を作るため国技館に足を運んだ結果「力士のブログをチェックするほど」のファンに。母の墓参りに磯子を訪れることもしばしば。その際は浜マーケットで買い物を楽しむ。「紙芝居は人との交流」。出会いに喜びを感じながら、新たな物語を描く。
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