磯子区内で2015年に発生した自転車事故が、前年比プラス6、死者2人を含む53件で、年代別に見ると30代の事故が4分の1弱を占めていることがわかった。
53件のうち、20代、50代では5〜6件の発生だが、60代以上は10件、30代は20、50代の倍にあたる12件にも上る。こうした状況は14年も同じ傾向で、30代では11件発生していた。30代の事故が多い理由について磯子警察署交通課の担当者は「一概には言えないが、仕事や子育てに忙しい30代にとって、自転車は生活圏内を速く、手軽に移動できる便利な乗り物なのではないか。その手軽さゆえ、ルールやマナーに意識が届きづらいのでは」と分析する。磯子警察署では、5月の「自転車マナーアップ強化月間」に合わせ運転者へ正しい交通ルールや運転マナーの徹底を呼び掛けている。
出合い頭の衝突が増
自転車は近年、エコや健康志向、趣味を楽しむ乗り物として人気を集める。その一方で、自転車が関わる事故は全国的に増加。磯子区内では15年に53件発生しており、うち2件は運転者が死亡するという重大な事故となっている。
事故の傾向としては、交差点での一時不停止に起因する出合い頭の衝突など、交通ルールを無視したものが多いという。昨年6月に発生した死亡事故は、70代男性が横断禁止の道路を自転車で横断しようとしたことで発生した。担当者は「運転者が歩行者の気分で自転車に乗り、車両が従うべきルールを意識していないのではないか」と警鐘を鳴らす。
危険な「ながら運転」
区内で今年発生した自転車事故は5月15日現在で22件。同署では、今回の強化月間に合わせ、自転車運転者に対し車両としての交通ルールへの理解や、携帯電話操作、イヤホンをするなどの「ながら運転」といった危険行為への注意を呼び掛ける。5月1日と9日には区内各所で啓発キャンペーンも実施された。担当者は「自転車は交通ルールとマナーを守ることで安全で便利な乗り物になる。『自分は乗り慣れているから大丈夫』と思っている人にこそ、改めて学んでほしい」としている。
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