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幸区版 公開:2016年9月2日 エリアトップへ

セルプきたかせ 障害者の作品を名刺に 企業や行政から受注

社会

公開:2016年9月2日

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作品を描いた宮本憲史朗さん(上段中央左)、平田貴子さん(上段中央右)、清井了支さん(下段左)、半澤真人さん(下段右)、職員の青柳英梨さん(上段左)、勝亦明施設長(上段右)
作品を描いた宮本憲史朗さん(上段中央左)、平田貴子さん(上段中央右)、清井了支さん(下段左)、半澤真人さん(下段右)、職員の青柳英梨さん(上段左)、勝亦明施設長(上段右)

 障害者が通所して働く施設「社会福祉法人長尾福祉会 セルプきたかせ」(勝亦明施設長)は、通所者が描いた作品をデザインした名刺の制作と販売を始めた。通所者の給与に当たる工賃の向上の一環で、企業や行政から既に注文が入っている。

 名刺は計4種類で、川崎の工場を表現したイラストや、線や点の模様などが筆や指を使って水彩画で描かれている。

 名刺作りのきっかけは、工賃の向上についてセルプきたかせが市に相談したこと。同施設では講師を招いた絵画活動が行われていたことから、「絵を使って何かできるのでは」と市からアイデアをもらった。より多くの人に作品を知ってもらうことができ、繰り返し受注が期待できることから名刺として商品化することを決めた。

 名刺に使う絵は、川崎らしいものや印象に残りやすいといった観点から4作品を選んだ。

 工賃アップの仕組みは、作品を描いた4人が所属し障害者の作品を管理する団体「studio FLAT」に、セルプきたかせが作品の使用権を支払い、使用料が作者の収入となること。他の通所者も名刺の箱詰め作業などに参加し、工賃に反映される。注文は8月26日までに約35セット(3500枚)が入った。

 同施設職員の青柳英梨さんは「名刺がたくさんの人に届き、デザインの素晴らしさを感じてもらえたら嬉しい。絵の作者や作業に関わる人がやりがいを感じてもらえれば」と話す。

 市内では点字を刻印するなど工夫を凝らした名刺を作る障害者通所施設はあるが、障害者の絵を名刺にしたのは同施設が初めて。

 名刺に関する問い合わせはセルプきたかせ(【電話】044・580・3080)へ。

工賃の向上が課題

 一般企業の雇用が困難で、雇用契約に基づく就労が困難な人が就労や生産活動を行う就労継続支援B型事業所は、セルプきたかせを含めて市内に46ケ所ある(16年3月時点)。市内のB型事業所に通う人が毎月もらう工賃の平均は、月1万4千421円(14年度)で、全国平均の月1万4千838円をわずかに下回る。

 市担当者は「08年度の市内の平均工賃、9千444円よりは約5000円上がっているが、日割りにすると少額。他の自治体の取組も参考にして、対応策を検討していきたい」と話す。

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