愛川・清川 人物風土記
公開日:2016.10.21
マジック愛川クラブの会長を務める
井上 桂さん
愛川町中津在住 64歳
「ありがとう」が嬉しくて
○…来月20日のマジックフェスティバルに向け、会員一同練習に熱がこもる。クラブの歴史は30年以上だが、マジックフェスティバルは今年が5回目。毎年開催するのではなく、メンバーの機運が高まってきた時に開催する。「無理して続けると質が落ちてしまう。気分が乗ってきた時ならみんなの熱意も違う」。3年ぶりの大舞台に腕が鳴る。
○…クラブは十数名の会員がおり、子ども会や自治会のイベントなどボランティアで芸を披露する。通常のマジックの他に自身の十八番は「腹話術」。相棒の「ケンちゃん」とともに軽妙なトークで会場を沸かせ、マジックで魅せる。「最初は固くなっている人も徐々に笑ってくれるようになって、最後は『楽しかった。ありがとう』と言ってくれる。それが何より嬉しい」と、レクリエーション活動の魅力に満面の笑み。
○…中津で生まれ育った。家は代々「指物師」で、父や祖父はオーダーメイドの桐タンスを作る職人だった。長男だったが、小学生の頃から教師を目指した。安価な海外製品の台頭や、良質な材料の希少化…。職人に厳しくなる将来を見越したのか「父も夢を認めてくれてね」と振り返る。中津第二小学校で教員の第一歩を踏み出し、その後厚木に転勤。依知南小や相川小、戸室小では校長も務めた。入学式にはケンちゃんとともに壇上に立ち腹話術であいさつ。「卒業式でもやろうかと思ったら『さすがにそれはやめましょう』ってみんなに止められちゃった」と少年のように笑う。
○…退職した今は国内外の旅行が夫婦の楽しみ。町レクリエーション協会会長や県央マジック連盟の理事長など二足、三足のわらじを履く多忙な生活だが、「毎月どこかに行っているよ」と日々充実。今、力を入れているのは昨年設立したユニカールクラブ。「いずれ協会として組織も強化していきたいね」。レクリエーションの伝道師として、まだまだ情熱は止まらない。
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