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公開日:2015.02.12

Safety Kidsいずみ
子どもの事故無くせ
カレンダーで注意喚起

  • カレンダーを手にする太田代表

 区内を拠点に子どもの事故予防の活動を進める「Safety Kids いずみ」(太田由紀枝代表)。事故による子どもの傷害を防ぐことを目的に2012年度からカレンダーを作成しており、来年度版が1月28日に完成。幼稚園や保育園などに配布を始めた。

 設立のきっかけは、太田さんが子育て期間を過ごしたアメリカと日本の環境の違い。子どもに対して自転車ヘルメットやライフジャケットの着用を義務付け、罰金制度もあるアメリカに対し、日本はあいまいなものだった。泉区へ引っ越し、子どもを守る意識の差を感じた。「社会の体制が整っていないと感じた」と太田さん。アメリカでの経験と知識を伝えようと、いずみ区民活動支援センターで勤務していた時に「子どもの事故予防推進ボランティア養成講座」を企画し、受講した主婦らを中心に、2009年に団体を設立した。

 子育て中の主婦を含め、メンバーは10人。神奈川県内の保育園や幼稚園、子育て支援拠点などに出向き、紙芝居などを用いて講座を行う。子どもや保護者、保育者と対象は多岐にわたる。メンバー自らが訪れるほか、理学療法士や大学教授に講演を依頼し、専門的な視点から情報を伝えることもあるという。一方的な講座のみならず、受講者同士で体験した事故事例を話し合う場を設けることが特徴の一つ。「失敗経験なので言いづらいことだが、身近な事故情報を共有する分、印象にも残りやすい」と太田さんは話す。

実体験を伝える

 日本における0歳から19歳の死因のうち、交通事故や窒息死など、「不慮の事故」が50年近く上位を占めている。しかしながら、子育てをしながら起きるかどうかわからないことを勉強する時間はなかなかとれない。子育てに取り組むメンバーの意見を取り入れ、リビングに掛けてあるカレンダーであれば目が留まりやすいと考え、2012年度から作成。キューブ状の新型洗剤をキャンディと思って口に入れた、ブラインドの垂れ下がったコードが首に巻き込んだ、足台を使って出窓によじ登り、転落してしまったなど、受講者から実際にあがった事例を中心に、イラストレーターの久保田修康さんが描いたオコジョのイラストとともにまとめた。

 カレンダーは講演を行った施設を中心に700部配布する予定。同団体のHPからダウンロードすることもできる。太田さんは「日常生活で危険に気付き、発信していくことが大切。それは一人ひとりの市民ができること」と話した。

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