今年、開館20周年を迎える「上郷・森の家」の館長 柴田 和久さん 金沢区在住 60歳
誇れるハウステンボスに
○…横浜市唯一の公共の宿として開館した「上郷・森の家」。20周年を迎える節目の年に館長として、利用者を出迎える。今月からは、その魅力を多くの人に伝えようと、1泊2食付4900円の市民向け20周年特別プランを打ち出した。「貴重な横浜の自然に溶け込むよう、鉄筋コンクリートを使わず、木のあたたかみを生かしているのが森の家。横浜にある箱根だね」と白い歯をのぞかせる。
○…磯子区や金沢区内の小・中・高校に通い、神奈川大学に進学した生粋の横浜っ子。横浜市の職員になったのも自然な流れだった。13年間の長い港湾局勤務を経て金沢区の海の公園で3年、森の家には一昨年に赴任した。まさに海から山へだが、「海で採れる海苔と山で採れる梅が入ったおにぎりのよう」と笑う。今は「趣味よりも森の家」と、リピーターをさらに増やすべく、職員とともに知恵を絞る。「20年前とは利用者の考えも違う。さらに喜んでもらえるように、変えない所は変えず、変えるべきところは変えていかないと」
○…バーベキュー場や体育館として利用できるミニドーム、水着で利用できるバーデゾーンなども備える同館。年間3万人が訪れる中で最も多いのは小学生の体験宿泊での利用だ。今年は森の家が審判となり、学校対抗の大縄跳び大会を計画している。「認定証を出して館内に参加校一覧を貼り出し、20周年の記念大会をできれば」子どもたちの思い出の中にその存在を刻む。
○…近所に住む5人の孫はかわいい盛り。初孫は50歳になって数日が過ぎた日に生まれ、「40代でおじいちゃんになりたかったが、惜しかった」と話す。その孫が小学生になり、宿泊体験に来た時は「こっそり小さく手を振り合った」と目を細める。森の家はオランダ語でハウステンボス。「長崎にはかなわないけれど、上郷のハウステンボスとして30年を迎える時まで守り続けたい」今年も多くの利用者を笑顔でもてなす。