栄区 人物風土記
公開日:2017.01.26
荒井沢緑栄塾楽農とんぼの会会長を務める
大中 捷行さん
桂台南在住 75歳
心の喜びを得るための労働
○…栄区産のそば粉を味わう「そば賞味会」を今月11日に主催した荒井沢緑栄塾楽農とんぼの会の会長を務める。同塾は平成5年度から始まった「荒井沢緑地の里山再生事業」を担い、里山の保護や放棄畑の開墾、地域交流を推進し、現在40人の会員で活動する。「会も昨年20周年を迎え、これからも長く続けていきたい。会を維持していくには組織作りが大切。組織をつくる人を大切に、組織作りに精を出し、会に参加する人が今後も増えていくといいなと思う」と話す。
○…入会したきっかけは同地の桜を見に行った際に声を掛けられたから、と笑って答えたが本当のところはボランティアを知りたいとの思いがあったという。仕事で定年後の余暇活動を提案する際に地域ボランティアを勧めていた。が「実はよく知らなかったというのが実情。勧める側が実態を知らないで勧めるっていうのもね」と自ら体験する必要を感じた。結果「ボランティアは、しなきゃいけないという思いでは続かない。面白いもの、心の喜びを得るものじゃないと」。入会する人には「早く楽しいものを見つけて下さいね」と声を掛けるという。ボランティアを、心の喜びを得るための労働と称す。
○…北海道札幌市で大学卒業後に上京するまで育つ。家の手伝いで草刈りを担当。「家で馬を飼っていて、その餌にするための草刈りが僕の仕事だったの」といい、同会に入ってからは、放棄畑に生えた藪をひたすら刈り続けたという。「年期が違うからね。他の人よりも刈る量もスピードも違うよ」といたずらっ子のように目を光らせる。
○…家族は妻と子どもが3人。子どもは既に自立し自らも定年後を過ごす中で、会のほかリコーダーや独り呑みを楽しむ。「今日もこれから野毛に行こうと思っている。でもなかなか独りでお酒を楽しめる店ってないんだよね。最近はそれが悩み、どっか良いとこないかな」と笑った。
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