"おせっかい"で地域の輪広げ 尾仲区長に聞く 今年の栄区
本紙では2012年のスタートにあたり、尾仲富士夫区長にインタビューを行った。震災の影響が残る中、昨年5月に就任。尾仲区長は激動の一年を振り返るとともに、今年の展望などを語った。(聞き手/本紙・鮫ヶ井友美)
―就任後の振り返りをお願いします。
「計画停電や公共施設の輪番休業などがあり、自治会町内会には例年以上に取り組んで頂きました。区長として、もっと矢面に立って言わなければいけない状況かと思っていましたが、大きな反論などなく、ご協力を頂き、ありがたかったです。栄区は東北の被災地だけでなく、長野県北部地震で被災した栄村への支援にも注力してきましたが、600万円を超える義援金が集まり、区民まつりなどでの物産展を通して民々レベルでの交流もできたと思います。区民の皆さんの懐の広さや温かさを教えて頂いた一年でした」
―最も印象に残っていることは何ですか。
「来場者が5万人を超えた区民まつりです。区民だけでなく、山形県高畠町や青森県南部町、長野県栄村など、地方の出店もありました。イベントを終え、会場を引き揚げる時、疲れてはいるものの、みんな良い表情だったのが印象に残っています」
―世界保健機関(WHO)協働センターから来年度中の認証取得を目指しているセーフコミュニティ活動についてはいかがですか。
「6月に中間審査がありました。コミュニティは良くできているということでしたが、何を誰がいつまでに行うかなどの計画が課題となっています。私は、セーフコミュニティは『壮大な社会実験』だと思っています。現在、専門家を交えて災害や交通安全、暴力・虐待予防など8分科会が活動をしていますが、もっと区民の皆さんに参加してもらい、セーフコミュニティの理念を共有化していきたいです。そのため、分科会も皆さんが傍聴できるようにしました。セーフコミュニティ活動で求められるコミュニティのつながりは、役所がこうすれば良いと言えるものではありません。皆さんが参加して肌でセーフコミュニティを感じてもらいたいと思います。今秋には本審査があります。WHO協働センターに提出する申請書は区民の皆さんと一緒に作っていきたいです」
―今年力を入れたいことは何ですか。
「地域経済の活性化です。本郷台駅前の元気が原点となるよう、栄区の商店街連合会と連携して『千客万来』を目指します。また、栄区には大手企業の事業所も多くあります。意見交換を積極的に行うことで、事業所が区民と接する機会を増やし、事業所のビジネスチャンス拡大にもつなげていきたいです。当面は区役所がコーディネーターの役割を担い「駅前をイベントで使いませんか」と企業や団体に声がけをしていきます。震災の復興支援もそうですが、キーワードは『おせっかい』ですね」
―上郷開発や横浜環状南線をはじめとした道路整備に区民の関心が寄せられています。
「上郷の緑は大切なものです。どう開発されるにせよ、残った緑をどのように後世に伝えていくかを考えなければなりません。また、高速道路は単なる建設ではなく、まちづくりとして考えて環境に調和し、区民にメリットのあるつくりにしてほしいと思います。生活幹線道路についても、交差点や歩道の安全整備が必要です。現在は市の財政が厳しく、すぐに着手することは難しい状況ですが、将来の布石として展望を持っていることは必要だと思います」
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