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公開日:2013.08.29

栄区
自殺予防対策を強化
情報発信、相談電話開設も

  • 記録をとりながら電話相談に応じる(写真はイメージ)

 自殺対策強化月間の9月。栄区は「支え合おう こころといのち〜さかえ・ハートフル月間〜」と名付け、自殺予防の取り組みにより力を入れる。7月には横浜市内で初めて、自殺の悩みを抱える人や自死遺族などを対象にした相談電話を区独自に開設。自殺予防への区民の理解を深めるとともに、悩みを抱える人をさまざまな形で支援していく。

 内閣府が今年3月に発表した2012年の横浜市の自殺者数(暫定値)は639人。うち、栄区は26人だった。横浜市人口動態統計によると、栄区の自殺者数は毎年増減を繰り返しており、ここ10年間の平均では年間25人が自殺により亡くなっている。年代はばらつきがあるものの、職業別では無職者が7割以上を占めているのが特徴だ。

 栄区ではこうした状況を受け、10年度からスタートしたセーフコミュニティ活動の中に自殺予防対策分科会を設置。悩みを抱える人に声をかけ、必要な支援につなげるゲートキーパー「さかえ・ハートフルサポーター」の育成に力を入れ、昨年度は9回の研修会を開いて、区職員や福祉関係者、消防職員など400人が受講した。また、栄区薬剤師会や栄共済病院と連携を図り、薬物中毒者への注意や自殺未遂で搬送された人へのケアなどを強化している。

相談先、一つでも多く

 7月25日からは栄区在住・在勤で自殺の悩みを抱える人や自死遺族などを対象にした「栄区いのちとこころのホットライン」(【電話】045・894・8295)を開設。毎月第2・第4木曜日の午後1時30分から3時30分まで精神保健福祉士が相談電話に応じる。

 横浜市では現在、「こころの電話相談」や「横浜いのちの電話」などのほか、各区に区職員が相談に応じる窓口を設けているが、区独自で専門家による相談電話を開設したのは初めて。区は「勇気を出して電話をかけても通話中でつながらないこともある。話すことで落ち着く場合も多く、一つでも相談の場を増やしたほうが良いだろうという機運が高まり、開設に至った」と話す。すでに数件の相談が寄せられているという。

 9月中は栄図書館で区内の自殺の現状と背景、対策について紹介するパネル展示などを行うほか、世界自殺予防デーの10日(火)午後3時からは本郷台駅前広場で、クイズなどで自殺予防への理解を深めるキャンペーンを実施予定。さまざまな対策を講じ、自殺者の経年的減少を目指していく。

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