特別養護老人ホームと高校生が連携 老学連携シリーズ【3】 合唱部・吹奏楽部の訪問 緑園都市睦愛園施設長 志澤秀一
さる6月中旬、緑園総合高校合唱部の生徒の皆さんに緑園都市睦愛園を訪れて頂きました。お年寄は、数日前から合唱を楽しみにされており、開始30分前には全員が席について少しでも早く聴きたいという表情で、開演を待っておられました。
定刻に合唱が始まり、素晴らしいハーモニーで「君をのせて」「Believe」「あめふり」「故郷」等の8曲を披露して頂きました。参加されたお年寄は優しい微笑みを浮かべながら、昔を懐かしんでいる様子でした。特に「故郷」は、ほとんどの方が口ずさみ、中には涙を浮かべていた方もいらっしゃいました。高校生の澄んだ歌声は、お年寄の心に浸み入り、会場全体が温かい雰囲気に包まれていました。また、吹奏楽部の生徒の皆さんにも訪問して頂き、素晴らしい迫力のある合奏で、参加したお年寄は眼を輝かせて演奏に聴き入っていました。高校生の皆さんも少しでもお年寄に喜んでいただきたいという思いを持って、精一杯の演奏をしてくれました。
このように高校教育の中で培ってきた文化部活動を、直接施設に来て披露して頂けることは、睦愛園を終の棲家として生活しているお年寄りにとっては、この上ない喜びでもあります。また、高校生にとっても感動や達成感を体験する機会が少なくなる中、このような交流を通して感動や喜びを実感することは人間的な成長に繋がることと思います。是非これからも高校教育の中で、自己肯定感を持てる生徒の育成に、活かして行って頂きたいと思います。「老学連携」が生徒の成長の一助となり、高齢者の方々の励みになっていくことを願っています。
※当シリーズのご感想をお寄せ下さい。(〒245-0003泉区岡津町3217-1「緑園睦愛園」宛)
〈著者〉志澤秀一。県立山北高校と大磯高校で校長を務める等、教育現場に長く携わってきた。その経験を生かし、同園施設長として「老学連携」を図っている。
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