11月に中田小で開かれた中田連合文化祭。会場入口でひと際来場者たちの注目を集めていたのが、約60cm角の水槽の中で、必死に動きまわる「からくり竹人形」。制作者の吉野公男さん(広町自治会)に話を聞いた。
同文化祭は、物産展やステージ演奏、模擬店などを通して地域の絆を深めることが目的。同連合の秋の一大イベントとして定着している。自治会町内会の個人や活動団体による作品発表も恒例で、例年一千点を超す作品が来場者たちの目を楽しませている。
今年、会場内で大人も子ども一様に足を止めて見入っていたのが、吉野さんの作品だった。水槽下部にためた水をポンプでくみ上げ、ギミック中央に設置された水車に注ぐと、水車の中心棒に連動するように設置されている人形が動く仕組み。人形は自転車を漕ぐもの、石臼をひくもの、体操するものなど計8体。下からライトアップされ、湯気が立ち上る中、表情を変えず、ただひたすら関係性のない動きを続ける8体の人形には健気さとコミカルさが同居。「なんだか目が離せない」と評判だった。
吉野さんはもともと制御盤のエンジニアで細かい作業と仕組みづくりにめっぽう強い。家の中にはゴルフ場を模したジオラマのほか、手製の家具などがいっぱいだ。15年ほど前から、時間を見つけては身近なものを使った作品制作に勤しんでおり、今回の作品もこうしたライフワークの一環だ。本人曰く、単なる思い付きで自転車を漕ぐ人形を作ってから、およそ3カ月。「あったらいいな」を付け加えていたら思いがけず大作になった。せっかくだからと文化祭に出品したところ好評で、本人が一番驚いているという。
「アイデア次第で目の前にあるものが全く違うものに変化したり、思いもよらない動きを可能にしたりするのがものづくりの面白さ」と吉野さん。急遽名前を付けた「からくり竹人形」は、要望があれば貸し出しも検討中。「次は動物がテーマ」と構想も明かしてくれた。
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