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公開日:2022.04.14

社会福祉法人誠幸会
松風学園敷地内に新施設
公民が連携し、障害者支援

  • グラウンドがあった場所に開所した「泉の郷まつかぜ」この規模の施設には珍しい耐火木造で環境などに配慮した

  • 故・鈴木一誠前理事長の写真の隣であいさつする鈴木太郎理事長

 横浜市が運営する知的障害者支援施設「松風学園」=上飯田町=の敷地内に4月7日、民設民営の同施設「泉の郷まつかぜ」が開所した。運営するのは泉区内に拠点を置く社会福祉法人誠幸会(鈴木太郎理事長)。同法人がこれまでに高齢・障害の分野で培った様々なノウハウを取り入れ、全国的にも珍しい公民複合型施設として、それぞれの特性を生かした障害者支援を行っていく。

 横浜市が運営する「松風学園」は日本の知的障害者入所施設の創成期にあたる1960年度に開所。約1万9千平方メートルの敷地に居住棟や作業棟、通所訓練棟、体育棟、管理棟などを備え、100人を入所定員としていた。

 83年に一度整備されて以降、30年以上が経過し、老朽化。さらに現行の国基準に応じた居室面積適合化や個室化などが必要となり、市は再整備に着手してきた。

 多人数部屋の個室化に伴う定員減を補うため、民設の新施設建設を計画。設置運営法人を公募し、2019年に誠幸会が選定された。

ICTも積極的に活用

 旧グラウンドの場所に新設された「泉の郷まつかぜ」は耐火木造の2階建て。短期入所4人を含む重度の知的障害者40人が入所する。25年度全面完成を目指す松風学園再整備の中で最初の開所施設となる。

 建物には10室の個室からなるユニットが4ユニットあるほか、個々の障害の特性に対応した作業場、地域交流室、眺望の良いテラスなどを備える。入所者がオンとオフを切り変えやすいよう、居室ユニットと日中の作業場は廊下で分け隔てるなどの配慮がなされている。また、屋外にも農園・花壇や運動スペースなどを設けた。

 誠幸会が掲げるのは「誰もが地域で暮らせることがあたりまえの社会の実現」。専門スキルをもつ職員チームが科学的根拠に基づく個別支援を行うほか、障害者施設では数少ないICT(情報通信機器)を積極的に導入。睡眠時のモニターや記録システムなどに活用していく。また、高齢の入所者も多いことから同法人の高齢部門との連携も図っていくという。

遺志継ぎ社会貢献を

 7日に行われた開所式では地元議員のほか、町内会関係者、行政などから約30人が参加し、開所を祝った。鈴木太郎理事長は、松風学園開所前から続く鈴木家や法人との縁について話し、「運営法人として名乗りを上げた故・鈴木一誠前理事長の遺志を、残された我々が継いで社会に貢献しなければ」と話した。

 施設には今月中に松風学園の入居者などが順次入る予定。支援のもとで将来的に施設から出て地域生活を送るなど各人が望む暮らし方を選択できるよう、目指していく。

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