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泉区 コラム

公開日:2022.11.03

もじゃくん先生の「こどもたちの可能性を、未来に」
vol.4 「感受性」

 小学生の頃の私は、体は大きいのに気は小さく、ちょっとしたことでも不安に感じてしまう性格でした。1、2年生の時の担任の先生がクラスメイトを叱ると、まるで自分が怒られているかのように小さくなったり、「自分の一言が、誰かを傷つけたのではないか」「友達が悲しい表情をしているのは、自分のせいなのではないか」と、いろいろなことをネガティブに考えてしまう自分がいました(今でもそういうときがあります)。

 「人一倍敏感な子」――。それはまさに過去の自分のことでもあるのですが、かけはしの居場所にも、敏感で、繊細な感覚や感受性をもった子がいます。その子をよく見ていると、人の心を読んで「この人はこうしてほしい」と考えて、自分の感情よりも他者の思いを優先して行動しているかもしれないと感じることがあります。傷ついてしまうことや心が疲れてしまうことも多いかもしれません。常に笑顔で、ユーモアがあって、いつも明るいその子が、内心は人の気持ちを常に察していたり、一人で傷ついていたりする、ということがあるのです。

 そういった子どもたちに、わたしたちが居場所でできること。それは、その子のありのままの姿を認めることです。その子の「敏感な」感受性は、"優しくて豊かな感受性"であり、人一倍、他者に寄り添うことができるのです。「本当に優しいね」「心配だよね。でもきっと大丈夫だよ」というメッセージをその子に言葉やまなざしで伝え続けることで、その子自身が「自分は自分でいいんだ」という思いをもってほしいと思っています。

 いちょうコミュニティハウスの居場所に、よく来てくれる三人兄弟がいます。一番上の子も小学2年生で、下の子二人はまだ幼稚園以下のお子さんです。その三人の子たちにとっても慕われている子がいます。よく泣いていた下の子二人も、その子のおかげで、今ではすっかり笑顔です。感受性が豊かな子は、きっと泣いている子の気持ちが人一倍わかるんだろうな〜。

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