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泉区 コラム

公開日:2023.06.29

泉の寺院探訪 【3】法華山 本興寺
「ご先祖を大切に」
(上飯田町・日蓮宗)このコーナーでは泉区仏教会の13寺を紹介していきます

  • 本堂は1861(万延2)年に再建に踏み切り、1869(明治2)年に落成した。外廊を入れて十間四面。

  • 仁王門と阿吽像

  • 浅井慶信貫首。昨年11月の晋山式で=同寺提供

 本興寺(上飯田町3624)は日蓮宗の本山(由緒寺院)で、日什門流八別格本山のひとつ。同寺は当初、日蓮聖人の直弟子・天目上人が鎌倉で開創した寺で、聖人が辻説法の途中、休息された地ということで『休息山本興寺』と称した。その後、日什門流の開祖・日什大正師の教化にふれ改派、『法華山本興寺』と1382(弘和2)年に改称した。江戸時代、日蓮宗への迫害が厳しくなり、1660(万治3)年には現在の地に寺の一切を移した。同寺のある飯田の地は日蓮聖人入滅後、遺骨を身延に運ぶ際に1泊された地と言われている。

 現在の貫首は第69世の浅井慶信(日伸)さん(63歳)。祖父の代から同寺を守る。それまでは都内の寺を守り続けてきたが、縁があり同寺に移り住んだ。昨年11月に晋山式を執り行い、慶信さんが父を継いだ。「御先祖の供養をしっかりしてほしい。ご先祖の方々がいなければ、私たちはいない。自分がいるのはご先祖様のおかげ。そのことを忘れずに」と語る。

 山門をくぐると本堂までまっすぐな参道が続き、途中に朱の仁王門が目を引く。1785(天明4)年に建立され、2体の仁王像は2006(平成18)年に修復された。宝蔵には27世・常楽院日経上人の血曼荼羅、日什上人の絵曼荼羅などが納められている。1万坪の敷地内には雑木林もあり、散策する人も多い。浅井貫首は「新幹線が敷地内を通っているよ」と笑う。

スポーツ選手・団体応援

 一生懸命頑張る人たちを応援しようと、ボクシングWBC・WBA統一世界ライトフライ級チャンピオン寺地拳四朗選手や、プロレス団体「VAMOSTAR」を支える。デビュー直後から応援する寺地選手には、入場する際にはリング下で切り火を切り、無事と成功を祈る。「何ができるわけではないけれど、物事に集中できる環境を整えてあげたい」と浅井さんは思いを語る。

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