フェリスの学生とコンサートを初開催するNPO法人四季の会で事務局長を務める 霜島 隆晴さん 和泉中央南在住 59歳
利用者の能力を信じて
○…泉区内で30年以上、精神障害者の地域生活支援を続けるNPO法人四季の会。このほど若手職員が中心となり、フェリス女学院大学の学生と初のコンサートを企画。第10回目を迎える作品展とあわせ、テアトルフォンテで10月7日に開催する。同会の事務局長として、地元大学生とのコラボに「若い職員たちが地域を意識して活動してくれているのが何より」と期待を込める。
○…厚木市出身。駒澤大学文学部で福祉を学び、声をかけられたのがきっかけで同会の職員に。当時は身体障害や知的障害とちがい、精神障害には手帳制度がなかった時代。当初は精神障害の知識も十分になく、作業所で汗だくになりながら利用者とともに過ごした。「作業もみんなの方が上手なので、私は話を聞くだけしかできなかった」。その姿勢が少しずつ距離を縮めていった。
○…「平成の最初の頃まで、精神病患者の日中の居場所は病院しかなかった」。この30年ほどの間に時代は流れ、精神障害者を取り巻く制度も、社会からの見られ方にも変わってきた。モデルケースもない中、手探りで四季の会も地域のニーズに応じるように施設を増やしてきた。一人一人に耳を傾け、寄り添う――。利用者の能力を信じているからこそ、「解決するのは本人。私たちができるのはそれをサポートするだけ」。
○…さまざまな難しさはあっても、今の仕事を辞めたいと思ったことは一度もない。「職員や地域、利用者に支えられ、一緒に作り上げてきた楽しさが大きいから」。そう言ってやさしく笑う。同会はこれまで、レクを通じた交流を大事にしてきた。「当たり前の楽しさを経験していない人も多い。だからそれを一緒に楽しみ、当たり前の苦労もしてもらえたら」
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