栄区九条の会5周年のつどいで朗読劇をする「イズミン朗読の会」のメンバー 宮内 咲希子さん 笠間在住 20歳
戦争の事実、ストレートに
○…戦争を永久に放棄し、戦力を保持しないと定めた憲法9条等の改変を阻止しようと活動する「栄区九条の会」。今月26日に行われるその5周年のつどいで日本やアジアの戦争中の子どもに関わる話や詩をまとめた「平和への祈り」を朗読する。「忘れちゃいけないことがある。知らなきゃならないことがある」伝えたいその思いを胸に、仲間とともに舞台に立つ。
○…笠間小で演劇クラブに所属、西本郷中では演劇部に。「運動部に入ろうと思ってたのに」と苦笑いするが、演劇部の新入生向けの公演を観て「ここしかない」と直感で入部を決めた。関東や全国大会にも駒を進める実力のある部活。人の感情を動かすことができる演劇の魅力にすっかりはまり、以来演劇一筋。「舞台に立つのが好き」と、現在通う大学でも芸術学部で演劇を専攻している。
○…中学時代に出会ったのが同部顧問の泉山友子教諭。「イズミン朗読の会」は西本郷中や泉区内の中学校など泉山教諭が指導した演劇部OBの有志が集まり、今回の公演に向けて結成された。メンバーは今春中学を卒業した15歳から社会人の23歳まで8人。「また集まって劇をやりたかった」と実現を喜ぶが、演じるのは「戦争」という重いテーマ。声だけで演じる朗読劇のため「動作がない分、難しい」と忙しい合間を縫っての稽古に励む。戦争に関する劇は中学2年の時以来。ただ演じるだけでなく、被爆地である広島などにも足を運び、資料を集めて戦争を学んだ。「演技には自分の感情もいるが、戦争は事実。ストレートに言葉を伝えたい」。
○…夢は舞台女優。女優の大竹しのぶさんに憧れている。男勝りの性格で「大人しい女の子を演じるのは苦手」。演技に納得がいかない時は「納得がいくまで何度も練習する」という。「朗読劇をたくさんの人に観てほしい」。平和への祈りを多くの人に―。仲間とともに精一杯演じきる。