桂公田の歴史、後世に 4年がかりで「町会誌」発刊
「昔を知る人がいる今のうちに残しておきたかった」。約1500世帯を擁する桂公田町会(原恒雄会長)が、町会や地域の歴史などをまとめた「桂公田町会誌」を発刊し、7月14日に鍛冶ヶ谷のレストラン「モンテカティーニ」で行った発刊記念式典で、地域の人たちにお披露目した。
73年の長い歴史を持つ桂公田町会。町会誌の製作は、40年以上に渡り町会の役員や会長を務めた野村政晴前会長の発案で4年前に始めた。地域の中から6人が集まり、3年後の完成を目指して編集委員会を発足したものの、「素人の集まり。初めの1年は何もできずに過ぎてしまった」と編集委員長の須藤正照さん。月1回だった編集会議を2年目以降は月2回以上、時には昼から深夜まで議論を重ね、掲載内容を精査した。
126ページに及ぶ同誌には、町内会のルーツや地域の長老4人が座談会で語る昭和初期の暮らしと思い出ばなし、原始時代から戦後までの地域の移り変わり、民話や昔話などが収められている。図書館などで文献を探し、栄地域史研究会の北條祐勝会長の助言を受けながら歴史を紐解いたものが多いが、町会の地域内には遺跡や旧跡も存在するため、その場に足を運んで取材したものもある。ほとんどの文章は新聞社OBの原さんと機関紙の編集経験を持つ須藤さんで執筆。地域に長く住む人から集めた写真なども豊富に使い、読みやすい1冊に仕上げた。須藤さんは「資料集めは苦労したが、広がっていくことにロマンを感じ、やっていておもしろかった」と振り返る。2千部を発行しており地域の全世帯に配布したほか、今後公共施設などにも置く予定にしている。
30年の功績に感謝
発刊記念式典と合わせ、昨年度まで30年間会長を務めた野村さんの永年功労感謝会も同時に開催。野村前会長は「町会はみなさんの意思で存続している。30年間、平和にきて良かった。今、町内にはまちを大きく変える高速道路建設計画などもあるが、新会長には私がやってきたことを良く見直して務めあげてもらいたい」と話した。原新会長は「野村前会長のものをそのまま吸収していきたい。まずは防災計画を作っていく」と話した。
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