8月25・26日に祭礼を行う桂公田神明社の神輿保存会会長を務める 工藤 吉成さん 公田町在住 48歳
時に熱く、時に冷静に
○…桂公田神明社の神輿は今年、数え年で30年の節目。「血の気の多いやつが多いから、クールでいないとね」熱い祭りの一幕を冷静に見つめ、5代目会長として約80人の保存会メンバーをまとめる。間もなく迎える祭礼を前に、仕事の傍ら準備に奔走、「いかに成功させるか」その一点に全力を注いでいる。
○…20歳のころから別の神輿会に関わっていたこともあり、栄区に転居した27歳の時、神輿好きな地域の人から誘いを受け、保存会に所属した。初めは何となく参加したというが、「一回やってみたら、和気藹々、楽しかった」と虜に。4月の鎌倉まつりを皮切りに10月まで、横浜市内や湘南地域など20ヵ所以上で仲間とともに神輿を担ぐ。祭りが集中する8月〜10月は特に多忙だが、「仲間意識が強いことがこの神輿保存会の魅力」と笑顔を見せる。
○…長年の経験から3年前には歴代最年少で会長に就任した。会長としての人との付き合いや人の使い方など「1、2年目は何も分からなかった」と苦笑い。それでも「一生懸命やれば見てくれている、ついてきてくれると思う」とがむしゃらにやってきた。勝手が分かった3年目の今年。伝統を受け継ぎつつ、自らの色も織り交ぜていく。
○…22歳の息子と高校3年生の娘の父の顔も持つ。「何も言わず、優しい父親だと思うよ」と自らを評価。幼稚園のころから一緒に祭りについてきては「次はいつ?」と聞いてきた娘。今年の祭りにも手伝いで参加すると言い、「嬉しいね」と目尻が下がる。「最近は忙しい合間を縫ってなんとか行っている」という趣味の釣り。夏は相模湾、冬は東京湾に出向き、ルアーで釣り上げる。ほとんどは海に戻してしまうが、時々持ち帰って、酒のつまみにすることも。「30kgを超えるマグロとか、大物を釣りたい」。祭り本番はもうすぐ。「みんな仲良く、楽しんでほしい」威勢の良い掛け声が地域に秋の到来を告げる。