栄区 人物風土記
公開日:2013.01.31
2月9日に「さかえegaoフェスティバル」を行う「さかえegaoプロジェクト」の代表
大平 由子さん
戸塚区在住 45歳
笑顔を栄区いっぱいに
○…「egao is no border!」を合言葉に、誰もが笑顔になれる”栄区のおみやげ”を作ろうと、区内8福祉事業所と9人のアーティストが協働で商品開発を行う「さかえegaoプロジェクト」。発足3年目を前に、活動をより多くの人に知らせたいとイベントの開催を決めた。「もっとegaoが広がるといいな」その思いを胸に準備を進めている。
○…発足当初は事業所同士のつながりもなく、作業のペースや製品の質に違いもあり、不安もあったというが、話し合いを重ねるうちに「良いものを作りたい」という共通の思いを感じ取った。「すごい意見はないけど、みんなプラスのオーラを持っている」と笑顔。アーティストも進んで事務作業に参加し、地域からも活動を広げるための提案を受ける。「egaoを大きくするために各自が考えて動いてくれるのが嬉しい」
○…精神障害者の就労継続支援施設「かつら工房」の施設長。精神保健福祉に関心を持ったのは高校生の時に起きた事件がきっかけだった。同じ横浜の高校生4人が下校途中に殺傷された。車で生徒をはねた上、刃物で刺した犯人は心神喪失と判断され、不起訴に。この判決に違和感を覚えた。「精神疾患を理由に、罪に向き合う権利さえも奪われてしまうのか」。大学で臨床心理を学び、卒業後、精神障害者と近い場で働きたいと現在の職場を選んだ。今は日々ともにパン作りに励むが、「障害があってもここでは一人のパン職人。ダメなことは言うし、良いことは一緒に喜ぶ」と人権を大切にしたいという強い思いが言葉に滲む。
○…自宅に帰れば小学生2人の母。「子どもが所属するドッジボールチームに貢献できれば」と昨年6月にはドッジボールの公式審判員の資格も取得した。パン作りもプロジェクトもドッジボールもチームワークが全て。「一人でできることはない」笑顔を武器に、挑戦を続ける。
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