「今となれば懐かしい」 落合恵子さんが介護語る
アナウンサーを経て現在、作家や東京家政大学特任教授として活躍する落合恵子さんの講演会「母に歌う子守唄〜わたしの介護日誌〜」が11月30日に栄公会堂で行われ、多くの人が集まった。主催は栄区役所。
落合さんは、アルツハイマー病やパーキンソン病など複数の病を抱え、最も重い「要介護度5」とされた母を7年間、在宅で介護し、看取った経験を持つ。
講演では、医師から「もう何も分かりません」と言われた認知症の母と過ごした日々を振り返り、「同じことを何度も聞き、何度もやる母に怒り、苛立ったこともある」と告白。しかし、諦めずに話しかけ、向き合うことで、大笑いしたことも、気が付いたこともたくさんあるとし、「今になってみれば全部懐かしい。お母さん、帰っておいでという気持ち。今ならもっと素敵な介護ができると思う」と話した。
また、医療や政治にも言及。母親の病気への診断に納得がいかず、サードオピニオンでようやく納得のいく診断がされたこと、増税などで負担は重くなっているが、弱者対策にはあまり使われていないことなどを挙げ、この社会で「老いる」とはどういうことかを訴え、聴講者はメモを取り、頷きながら話に耳を傾けていた。
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