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栄区 人物風土記

公開日:2015.03.05

ボランティアとして飯島小学校を支えている
川越 勝雄さん
港南区在住 71歳

学校支える皆の「川じい」



 ○…「子どもたちのことを思えば、会いたくなるし、頑張れる」。10年間ほぼ毎日のように学校へ来て、登下校時の見守りから授業の補助、遊びの指導など幅広分野で同校を支える。子どもたちからは「川じい」の愛称で呼ばれ、同校には欠かせない存在だ。



 ○…孫が通っていたことがきっかけで、同校に関わるように。最初は校外学習や体験学習などの手伝いをしていたが、大阪で起きた池田小事件を機に防犯ボランティアとして児童の見守り活動を始めた。多くの児童が犠牲になったこの事件をきっかけに、同校でも学援隊が組織されて防犯体制を強化。「子どもたちをいかにして守るか。同じようなことを起こしてはいけない」。学校からはできる日だけでいいと言われたが、それからほとんど毎日のように学校へ行って児童たちを見守り続けている。「『私がいるんだぞ』とアピールして犯罪を防止できれば」と頼もしい表情を見せる。



 ○…防犯ボランティアから始まった活動は、現在では多岐にわたる。農家に生まれた経験を生かして児童らが行う米作りや野菜栽培の手伝い、児童が使う竹馬や一輪車など遊具の整備、学校行事があれば準備から片付けまで。車には工具がたくさん積まれ、学校の設備が壊れていれば自分の手で修理する。毎日学校を見ていると次々とやるべきことが見つかり、「やることは尽きないよ」。皆が過ごしやすい環境をつくるために尽力している。



 ○…時にはかつて親しんだ卒業生が会いに来てくれることもあり、成長した姿を見ることが楽しみの1つ。「みんな立派な大人になっていてびっくり」と優しく微笑む。今年7月には10年前に埋めたタイムカプセルを掘り起こす予定で、残りの約4カ月間カプセルを守ることが現在の任務だ。「(カプセルが)ちゃんと残っているか不安もある。みんなをちゃんと集めたい」。卒業生との再会を待ち望みつつ、今日も児童を見守っている。

 

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