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栄区 人物風土記

公開日:2015.05.06

横浜市アマチュア無線非常通信協力会の栄区支部で支部長を務める
山本 和也さん
桂台南在住 51歳

つながる喜び 防災にも

 ○…非常時に災害情報の収集や伝達などに取り組む「アマチュア無線非常通信協力会」。今年度から栄区支部で支部長として地域に貢献する。「何かあるときのため、課題などを改善したい。元気のある支部にできれば」と意気込む。

 ○…ラジオが好きで海外の放送などを聞いていた少年時代。次第に「電波を受信するだけでなく、自分でも発信したい」という思いが募り、小学6年でアマチュア無線の資格を取得した。中学生の頃には「絶対電波が飛ばないと思っていた」という沖縄の電波を偶然受信し、「聞こえた時は、すごくどきどきして嬉しかった」。偶然的な喜びに魅せられてのめり込み、大学では最上級の資格も取った。現在も続ける楽しみの1つが海外との交信。世界各地で無線を使う人々と交信し、その証として自らのコールサインなどを記したカードを交換する。国内外から集まった多くのカードを手に「自分はまだまだ少ない方」と無邪気に笑う。

 ○…就職後は一時期、無線から遠ざかっていたが、2つの震災を機に再開。仕事で兵庫県尼崎市に住んでいた阪神・淡路大震災時には現地で被災し、4年前の東日本大震災は区内で経験した。「電話が通じない状況では、情報を伝えたくても伝えられない。そうしたら無線しかない」。自分でできることは何か真剣に考えた結果、趣味の無線を防災に活用しようと決意。同会へ入会し、趣味の知識や技術を地域の防災へ生かそうと取り組んできた。

 ○…支部に所属する会員が高齢化する中、「我々の世代が頑張らないと」と気を引き締める。近年では自治会に資格のいらないデジタル簡易無線を導入するなど、地域の防災力向上にも尽力している。「無線は老いも若きも楽しめる上、災害時にも有用性がある。多くの人に魅力を知ってもらえれば」。楽しみを知ってもらうために、そして地域を守るためにも無線の魅力を広めていく。

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