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栄区 人物風土記

公開日:2015.10.08

出張健康セミナーをスタートさせた横浜栄共済病院院長
細川 治さん
笠間在住 65歳

医療を地域で終わらせる

 ○…地域に根差した予防医学の推進と区制30周年の節目に併せたイベントとして、この9月から出張健康セミナーをスタートさせた横浜栄共済病院の院長を務める。「栄区は市が公表した行政区別の高齢者が他人の援助なく自立した生活ができる期間の平均数値を表わす平均自立期間データで男女ともに上位を占め、健康長寿の町。今後も多くの高齢者が自立した高齢者であって頂くために、地域に密着した活動を始めた。多くの方にこのセミナーを利用して頂きたい」。

 ○…石川県出身で研修医時代を含め29年間、故郷で過ごす。医師を志すようになったのは父親の勧めだった。学生時代の得意科目は数学や物理で「大学を選ぶ際にロケットや地球物理学なんかもやってみたかったんだけども」と話し、難しい問題が解けた時は嬉しく勉強を苦に思ったことはないという。「まぁ実学ばかりの医学部の勉強でも実生活でも微分積分とか何も役には立たないね」と苦笑する。

 ○…専門は消化器外科。研修医終了後、同科で最初に学んだ胃がんを専門に胃がん診療の先進県・福井県で29年間、研究や治療を行ってきた。胃がんで治療にあたった患者数は3千人を超える。「福井での胃がんの研究もやり終えたし、声がかかったので」と栄区に。赴任して最初に行ったのは院内改革と経営の立て直し。その一環に現在、行われている病棟の建て替え工事も含まれている。

 ○…新病棟には体の負担を軽減した上で効果的な治療を行う設備の導入や重症者ケアユニットの充実、人間ドック・がん検診の充実など、栄の地域医療は大幅に向上する。「区民の健康度を上げる」が院長就任当初からの目標。区内唯一の総合病院として最先端の機器を揃え、高度な医療の提供と、さらには地域病院と提携を図り、患者自らが住む街で安心できるケアを受け続け、生まれてから亡くなるまでを自分の街で完結してもらう理想を目指す。

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