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栄区 人物風土記

公開日:2015.12.03

結成10周年を迎えたNPO法人未来塾の理事長を務める
浅井 辿(たどる)さん
桂町在住 74歳

区民に学びの場を提供

 ○…「地域の先生が地域で教える」をモットーに、2005年に結成された未来塾。当初は会場が栄区のみだったが、現在は港南区や神奈川区でも講座を展開し、美術や音楽、スポーツなどさまざまなジャンルの講座を提供している。「講座のレパートリーもずいぶん増えたね。興味のある講座があれば、気軽に参加してほしい」と呼びかける。

 ○…出身は横須賀市で、5人兄妹の3男。父を8歳で亡くし、針仕事に取り組む母の手で育てられたという。中学生の時には、家計を助けるために新聞や牛乳の配達に従事。「バイクや自転車などはないから、自分の足で走っていたよ」。苦労もあったがそのおかけで1年時の全校マラソンでは2位となり、その後は陸上部として駅伝でも活躍した。「今はもう走らないけど、箱根駅伝とかテレビで大会がやっていればよく見ているよ」

 ○…高校卒業後は、日本電信電話公社へ就職して電報や広報誌発行などの業務に携わった。現在のように未来塾を手伝うようになったのは、職場からの20年来の友人が関わっていたことがきっかけ。2009年にNPO法人化する際に尽力し、理事長に就任した。「NPOになる時は何度も県庁などへ通って苦労もあった。だけど立派な法人ができてから知名度も上がり、苦労も報われたかな」としみじみと振り返る。

 ○…元気に毎日を過ごす秘訣は「年を取ったら『今日用(きょうよう)、今日行(きょうい)く』を毎朝考えること」。その日の朝に用事や行く場所を確認して、毎日さまざまな活動することが元気につながるという。現在は未来塾での業務にとどまらず、現役選手として活躍するソフトボールや文化展で入選した川柳、ボウリングに麻雀、カラオケなど、その活動は多岐にわたる。「毎日忙しいけど楽しいから疲れない。しばらくは未来塾も続けていくよ」。区民たちにとっての学びの場を、引き続き提供していく。

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