栄区文化協会の6代目会長を務める 西崎 進治さん 小山台在住 75歳
ベクトル合わせ充実へ
○…今年創立20周年を迎えた栄区文化協会で、5月末から会長を務める。音楽が好きで、2005年から栄フィルハーモニー交響楽団に所属。大きな舞台での演奏は若手に譲るが、裏方として仲間のサポートにも徹している。「子どもたちも演奏を聴いて、楽しんでくれている様子が分かるとうれしい」と目を細める。
○…東京で生まれ育ち、大学卒業後は総合重機メーカーで勤務。研究開発職として、ボイラーから出る排ガスの熱を使用した複合発電システムや宇宙での生命維持システムなどの研究に尽力した。当時は欧米の技術に追いつこうと、日夜を問わず研究に没頭。「研究データをとるために徹夜も多かった。大変だけど楽しく、仕事が趣味だった」と、寝ても覚めても研究のことばかり考える生活を送った。定年後も好きな研究をしたいと、自身の研究所を立ち上げて現在も研究は続く。「もうけではなくて、自分の好きなことをやる。それで社会の役に立てばなおいい」
○…大学では音楽部に所属してフルートやファゴットを演奏。混声合唱・フルート・ピアノ・語りを合わせて演奏した宮沢賢治原作の音楽物語「鹿踊りのはじまり」が思い出の作品だ。「素晴らしい曲。たまたま指揮者が持ってきた曲だったけど、演奏して感激したのは覚えている」。数年前に当時の仲間と集まった際には、この作品を多くの人に知ってほしいと意見が揃い楽譜の製作を企画。当時のものは残っていなかったため、当時の録音テープから楽譜を再現して今年4月には冊子として出版した。「これからはこの作品を普及させたい」と微笑む。
○…協会には約2000人が所属し、活動は創作系から教養系、音楽芸能系など多岐にわたる。「皆のベクトルを合わせて、協会のためになることをやっていく。そうすれば新しいものが生まれてくると思う」。それぞれの団体の垣根を越えて調和を図り、さらなる活動の充実へつなげていく。