磯子区 人物風土記
公開日:2015.02.26
区老人クラブ連合会の会長として、3月行われる創立50周年記念式典の準備を進める
佐野 弘さん
洋光台在住 82歳
「生涯青春」の気概で
○…77のクラブからなり、今年創立から半世紀という節目を迎える磯子区老人クラブ連合会。会長として、記念式典の準備を進める。「日本では世界でも類のないスピードで、高齢化が進んでいる。区老連にとっても今が一番大事というときに、50周年を迎えた。式典の成功はもちろん、誰もが入りたくなる魅力ある老人会づくりに取り組んでいきたい」。穏やかな表情が、スッと引き締まる。
○…自治会長や連長、区社協会長などを歴任し、市議も5期20年。妻もPTAや民生委員として活動するなど、夫婦で長年地域活動を務めた。20年前、党の定年制により市議を引退した直後、妻ががんで余命1年の宣告。全ての役職を辞し、看取るまでの1年間寄り添い続けた。その後、地元の老人クラブに入り、その会長に就いた。「亡くなる前、『これからも地域活動を続けて』と言われてね。自治会などは次の世代に任せて、私はシニアの立場でやろうと」。昨年、前任者から指名を受け、区老連の会長に就任した。
○…山梨県出身。公務員だった父の趣味はバイオリン、母は茶道や華道の先生だった影響で、家にはいつも和洋様々な音楽が流れていた。穏やかな性格の少年は、高田馬場にある早稲田中学高校へ進学。車が大好きで、自動車部で青春を過ごした。趣味を活かし、ガソリンスタンド店員やトラック運転手として学費を稼ぎながら大学で学んだが、志半ばで中退。モーターなどを作る会社に就職した。団地の入居開始とともに洋光台へ。第1期住民として、自治会のほか、文化を創る会や男声合唱団の設立に関わり、新しくできた街の文化づくりに取り組んだ。
○…娘2人は独立し、現在は一人暮らし。5人の孫の話題には、目じりが下がりっぱなしだ。音楽や車のほか、写真撮影も楽しむ。「体は衰えていくけれど、気持ちは常に若くありたいね」。”生涯青春”の気概で、次なる50年に向かう。
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