医療レポート 加齢黄斑変性症とは 取材協力／新川崎眼科

　加齢黄斑変性症は、日本人の失明原因第４位、欧米では第１位にあげられている病気で、50歳以上の約１・２％（80人に１人）が発症していると言われている。目の網膜の中で最も大切な黄斑が高齢化や喫煙、食生活等の影響を受けて発症する病気で、日本でも食生活の欧米化によって増加している。主な自覚症状は「視界がゆがむ」「部分的、または中心が暗く見える」「ものが薄く見える」「急激な視力の低下」など。

　同変性症には、異常な血管が新たにできる「滲出型」と黄斑が委縮する「萎縮型」があるが、日本人は滲出型が多い。特徴は、進行が速く急激に視力が低下、発見が遅れた場合には失明に繋がる可能性が高いという。

　近年では光干渉断層計（ＯＣＴ）を使うことで網膜の断面状態を的確に調べることができるようになり、網膜のむくみや異常な血管の発見、（網膜）黄斑部の剥離等も自覚症状が出る前の初期段階で発見できるようになった。また加齢黄斑変性の治療としては、抗新生血管治療（抗ＶＥＧＦ治療法）がある。同院によると「この治療は目に抗ＶＥＧＦ薬を注射し、異常血管を抑制することによって、これまでの進行抑制ではなく、視力改善が期待される療法として、現在、最も注目されている」という。

　秋山院長は「失明に繋がるような目の病気は、自覚症状が少ないうえ、気付いた時には手遅れという病気が多い。まずは自分で判断するのではなく、専門医に相談して下さい。目は一生ものです。手遅れにならないようにしましょう」と話している。同院でも、抗新生血管治療などで加齢黄斑変性症の治療を行っている。