岩手県宮古市にある市立田老第一中学校(菅井雅之校長)の3年生30人が4月15日、市内見附島の自修館中等教育学校(安井正浩校長)を訪問した。宮古市田老地区は、東日本大震災で甚大な津波被害を受けた被災地の一つ。この日、オレンジ色のシャツを着た田老一中の生徒たちは、津波の被害状況や復興に向けた取り組みを手作りの映像を交えて紹介した。
自修館の3年生から5年生の有志生徒およそ30人は昨年8月、復興支援ボランティアのため田老地区を訪問した。その折、田老一中にある震災関連の展示室を見学する機会があり、これが縁で両校の交流が始まった。今回、田老一中の生徒たちは、修学旅行の日程を調整し自修館を訪れた。
生徒たちは「田老を語る会in自修館中等教育学校」と題する発表を行った。事前に用意した映像を使って田老の歴史や文化、特産品の紹介ほか、東日本大震災による被害状況、復興の進ちょくなどを報告した。
発表会では、震災の実体験を伝えようと、田老一中の川上皓也さん(14歳)が自宅で迎えた津波の瞬間を語った。
「親と急いで2階に逃げました。しばらくして隣家の壁が家の1階に突き刺さり、その後屋根から自衛隊の方に助けてもらいました。家は元の場所から1Kmも流されていました」
静まり返る会場で川上さんは続けた。「助けてもらわなければ、今自分はここにいません。これまで復興支援に協力をしてくださった皆様には感謝でいっぱいです」と頭を下げた。
校歌に見る田老の歴史
「防浪堤を仰ぎ見よ、試練の津波いく度ぞ、乗り越え立てしわが郷土、父祖の偉業や後継がん…」
田老一中校歌の3番は、今まで何度も津波に襲われてきた郷土が、そのたびに復興を遂げた歴史を綴っている。菅井校長は「またいつか訪れる津波から命を守るためには語り継ぐことが重要」とコメント。同校では今後も「田老を語る会」を続けていく。
田老地区から10Km離れた仮設に暮らす川上さんは「皆さんが真剣に話を聞いてくれてうれしかった。今後も自修館との交流を続けたいです」と語った。一方、自修館の水谷彩乃さん(14歳)は「『当たり前の日常は一瞬で壊れることがある』という言葉が一番印象に残りました。日ごろから家族や友人、先生方にも感謝の気持ちを忘れずにいようと思いました」と話した。
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