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伊勢原 文化

公開日:2022.02.04

日向石を再生
高部屋神社で改修工事

  • 石垣の積み直し工事を行う事業者

 市内下糟屋の高部屋神社で、石垣の改修工事が行われている。



 神社役員によると、同神社の石垣には約270年前の日向石が使われているという。日向石は日向地区で採掘される凝灰岩。およそ350年前に石切場が開発され、大山の東側で採石が盛んに行われてきた。



 同神社の石垣は約70年前に道路の拡張工事のため一度積み直しが行われているが、石垣は歩道に面していて、石の劣化や根の張り出しなどから、石が崩れる危険性が生じていたため、歩行者の安全を配慮し、改修工事を計画した。改修費用の一部は、国の日本遺産の構成文化財整備に関する補助金が活用されているという。



 工事を請け負う成瀬石材店の成瀬善之代表取締役によると、工事は石垣の石を一度すべて取り除き、汚れを落とし、使える石を再利用し、再び組み直しているという。「歴史ある地元の日向石を、後世に伝えるためにも再利用した。まちの文化や景観を残せる良い経験をさせて頂いている」と話す。神社総代責任役員の能條幸夫さんは「多くの方が安心して神社に足を運んで頂けるようになれば」と話している。完成は3月末を予定。

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