あやせ名産品会が発行する名産品のリーフレットデザインが、8年ぶりに一新された。イラストやレイアウトは、全て綾瀬出身イラストレーター井上リエさん(藤沢市鵠沼海岸在住・52歳)が手掛けている。
同リーフレットは市の名産品の高座豚手造りハムや、大久保商店の「豚のみそ漬」、パレ・ド・モンパルの「あやせサブレ」、矢部商店の「あやせ本醸造」を紹介するもの。ギフトボックス発売を機に、今まで以上に認知度を高めようとデザインが変更された。
作成にあたり、「カルディコーヒーファーム」のイラストを手掛ける井上さんの存在を知っていた商工振興課の担当が交渉し、快諾を得る。同氏が手掛けた兵庫県の遺跡公園マップのようなイメージで依頼した。
今回、井上さんがこだわったのはマップに配置した小物。手書きの絵を1枚の画像で取り込んだ遺跡公園のマップに対し、名産品会の物は手書きの「道」と「川」以外、全てパソコン上で「切り絵風」に加工した。
豚の目や鼻、学校の窓、肉の赤身と脂身など全てのパーツを切り抜き、貼り合わせている。「やってみたら結構大変で作業に数日かかった」というが、「でも地元の仕事は面白かった」と笑顔を見せる。1カ月半かけ作り上げたリーフレットは、地元感と温かみに溢れた仕上がりになっている。
「ふと目にした人がデザインを気に入って手に取って、それが名産品を知るきっかけになってくれれば」と、井上さん。「今後も関われるものがあれば、綾瀬の仕事に携わりたい」と前向きな姿勢だ。
井上さんが2002年からイラストデザインを手掛ける「カルディコーヒーファーム」は全国に300店以上を展開し、海老名市のマルイにも入っている。赤い羽根募金のリーフレットイラストや、アーティストのCDパッケージデザインを手掛けるほか、木彫り絵本作家としての顔も持つなど多方面で活躍している。