2020年9月末までの開通をめざす「(仮称)綾瀬スマートインターチェンジ」(以下・綾瀬スマートIC)の工事現場で6日、工事の進み具合を解説する現場見学会が開かれた。事前に応募した大人から子どもまで50人の参加者が普段は入ることができない場所での見学などを通じて、スマートインターの全容について見聞を深めた。
実は凄い「全国有数規模」
「綾瀬スマートIC」の工事現場を一般向けに公開するのはこの日が2回目。前回は今年8月に夏休みの親子を対象に開催した。市によると、今回は8月の参加者からの好評を受けて市が企画したもので参加対象を一般にも拡大した。
受付開始から2日で定員の50人を超える人気ぶりといい、市の担当者は「待望のスマートインターということもあり関心の高さが現れている」と話していた。
プロが解説
見学会は、スマートインターの設置工事を管理する中日本高速道路東京支社の厚木工事事務所(厚木市恩名)と工事を請け負う若築建設(東京都目黒区)の現場担当者が案内役をつとめた。
16年12月の着工からこれまでに撮りためた地上と上空からの画像や映像を用いて工事概要などをわかりやすく説明した。
高速道路本線の北側にあるプレハブの建物から現場へ入った参加者は、上り線からの引き込み線に埋設された「ボックスカルバート」と呼ばれるコンクリートの囲いを地上から見学した。
さらに下り線で厚木方面への移設工事を待つ「東名綾瀬バス停」前を歩き、車線拡幅のため大規模な架替工事が完了したばかりの下原橋まで移動。下り線と県道を接続する引込線も歩いた。
子どもに人気
祖父の松嶋豊さん(69)と参加した戸田樹希くん(土棚小5年)は「工事の最初のころから楽しみだった。思った以上に近くまで来ることができて、すべてが大きくてびっくりした」と話していた。
妻と息子と3人で参加した大渕泰弘さん(51)は「夏休みに親子で参加して今日が2回目。前回よりも全体がイメージしやすくなっていて工事の進み具合が実感できた」と話し、息子の行弘くん(天台小2年)は「道路が好きだからまた来たい」と笑顔で工事現場を歩いていた。
本線直結上下線
現時点での「綾瀬スマートIC」の工期は20年9月23日まで。整備予算は約103億円を見込む。開通時にはETCカード専用ゲートが上下線に2か所ずつ取り付けられ、手前のゲートで一旦停止して通信が行われ、開閉バーが開く仕組み。
中日本高速道路の担当者によると、「綾瀬スマートIC」はサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)への設置ではない、本線直結型で、上下線に乗り降りできる。
1日約1万台が標準的な想定規模というが「綾瀬スマートIC」は約1万4千台の利用を見込む「全国有数の規模」を誇るスマートICとして整備されている。
道の駅も整備
綾瀬市はスマートIC開通から2年後の22年4月に、防災機能も備えた「道の駅」を県道42号線沿いに整備し、新たな企業誘致にも着手する。綾瀬の新たな玄関口ができることによる利便性向上のほか、新たなまちづくりにも期待が高まる。
綾瀬スマートICと県道・市道との接続では、一部で片側通行などの制約が必要となるため、利用動線の周知などが今後の課題となりそうだ。
市では今後も同様の見学会を開き、開通に向けて利用方法などの周知を図りたい考え。