伊勢原 人物風土記
公開日:2012.06.22
「あやめの里」を作詞・作曲した抒情歌手
田村 せつこさん
沼目在住
あやめに恋して
○…かながわの花の名所100選にも選ばれている「あやめの里」―。入口には同名の歌が書かれた木碑が立っている。「小雨のときに何気なく歩いていたあやめの里。そのあまりの美しさに詩ができました」と当時を振り返る。歌ができたのは1995年、園内を歌いながら歩き、売れたテープ代を里に寄付したという。今年のあやめまつりオープニングにも出演、歌声を披露した。あやめの見頃は今月末まで、「多くの人に美しいあやめを楽しんでほしい」と笑顔で話す。
〇…1990年に「北上夜曲全国歌唱コンクール」最優秀賞に輝き、歌手活動をスタート。世田谷生まれ。本格的に歌にふれたのは高校のコーラス部だった。6人兄弟の末っ子で早くに父を亡くし、母の看病をする生活。「兄弟から、たくさんの愛情をもらいました」と笑顔で話す。21歳で結婚し、28歳で伊勢原へ。洋裁師として働きながら、縁あって声楽を習う。持病のヘルニアで体調を崩したとき、何気なく目に付いた新聞の3cmほどの広告が同コンクールの募集だった。
〇…デビュー後は、抒情として市内外で様々なイベントに出演。市民文化会館大ホールでもコンサートを行った。洋裁師を活かして自分の着るドレスはお手製だという。「歌うことで主人公になれる。生活感が消えて、歌に恋をする瞬間が楽しい」と笑う。活動の一番の理解者はご主人。「協力があるから活動を続けられる」と微笑んだ。
〇…実はあやめの里だけでなく、聖峰の「コスモスの道」をはじめ、「芝桜咲いて」「おきな草」「まがたま」など、伊勢原をテーマにした曲を多数歌う。今では、南公民館などでの歌唱指導のほか、ボランティアで気功も教えている。「上手になってもらうことが楽しい。歌えることが幸せ。歌は一生極められないもの、常に模索、常に勉強です」と話す。
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