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伊勢原 人物風土記

公開日:2025.11.28

全盲のハンディを乗り越えてアコーディオン奏者として活動する
熊坂 栄弥(てるや)さん
東大竹在住 48歳

音楽で皆を勇気づけたい

 ○…市民文化会館で11月19日に開催された「伊勢原市交通安全の集い」で演奏。「水戸黄門」のテーマ曲や「コーヒールンバ」など誰もが聞き覚えがある楽曲をはじめ、自身の作曲した曲も披露。電車の踏切音をクイズにするなど遊び心を利かせたステージで観客を魅了した。

 ○…秦野市生まれ。生後間もなく原因不明で視力を失い全盲になる。音楽好きの父親の影響で、家に音楽が流れている環境に育ったことが影響し、音遊びが好きになる。7歳でピアノを始め、中学2年の時に県立平塚盲学校の80周年記念式典でアコーディオンを初めて演奏する。本格的にアコーディオンを始めたのは22歳の時。秦野を中心に活動する歌手の高住ゆたかさんの勧めで弾き始め、独学で習得。一度聞いただけで演奏ができてしまうという類まれな才能が開花し、以来、高齢者施設や学校などで演奏を披露する活動を続けている。「みんなが歌ってくれることが楽しいから演奏する」と話す。テレビから流れてくるCMソングや高校野球中継で流れる校歌などもすぐに演奏できてしまうという。

 ○…懐かしの歌謡曲から童謡、唱歌とレパートリーは300曲以上。鍵盤と96ある和音のボタンを駆使し、表情豊かに演奏、聞く人を魅了し続けている。10kg以上あるアコーディオンを30分演奏するのは至難の業だ。「練習は嫌い、重たいし疲れるから」とおどけて見せる。

 ○…家族旅行や演奏会など「○年の○月○日○曜日」と即答する特技がある。「栄弥に聞けばすぐにわかるから助かります」とほほ笑みかける両親の姿に親子の深い絆が伝わってくる。「これからもみんなを勇気づけていけたら。みんなが楽しいと僕も楽しいから」

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