コラム「学校と社会をつなぎ直す」【8】 第2波に向けて学びを再び止めない 桐蔭学園理事長 溝上慎一
4月に緊急事態宣言が全国で発令され、多くの学校では課題を与えながらも、実質的に教師と子どものやりとりはほとんどなく、子どもの学びが止まってしまった。一般的には、学校や家庭のPC・タブレット等の端末やWi‐Fi等のオンライン環境が十分ではなく、その結果、オンライン授業ができなかったからだと説明されている。
間違った説明ではないが、その後の調査では、紙ベースで課題を出す、添削して返却するといった、アナログでも子どもの学び、教師と子どもとの繋がりを維持した学校があることも分かってきた。また、学校や家庭にオンライン環境が整っていれば、緊急事態宣言の期間にオンライン授業へ首尾よく移行できたのかというと、そうではない学校が多くあることも分かった。校長や執行部のリーダーシップの弱さ、すぐ収束するだろうという楽観的な見通しが、原因であったと考えられている。
いち早くオンライン授業に移行できた学校の多くは、新年度のコロナ禍拡大を予測して、3月の時点ですでにオンライン授業を含めた対応を検討していた。学びが止まったのはオンライン環境のせいばかりではなく、コロナ禍以前にどのように学校運営をしていたのかという人的なマネジメントの話にたどり着く。
第2波が来ているようである。学校関係者は、同じ失敗を繰り返さず、子どもの学びが再び止まらないように、この夏休みを過ごしてほしい。
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