県立旭高校女子バスケ部の顧問として、34年ぶりの全国大会に導いた 講武(こうぶ) 達雄さん 大和市在住 58歳
「ブレない力」でたくましく
○…旭高に着任して6年目。地区予選さえ通過できなかったチームが4年目には県大会4位になり、3位、2位と一つずつ順位を上げてきた。そして今夏、ついに34年ぶりの全国の舞台に。しかし壁は高く、1回戦常葉学園(静岡)に69―76で惜敗。目標のベスト8は果たせなかった。「実力をつけても、発揮できなければ勝てない。そういった強さが旭にはまだ足りなかったが、手応えは感じられた」
○…前任の荏田高では、18年間バスケットボール部を指導。県の決勝リーグ常連校にまで育て、全国出場も果たした。「しっかりした高校生になる」という指導方針は当時から変わらず、部活動以外の授業や学校行事での態度などにも目を配る。「気分に左右されず生活の中の『当たり前』を積み重ねることが、どんな状況でも自分の実力を発揮するための土台になる」。生徒一人ひとりを見守る目からは信頼も生まれ、卒業後も練習に協力してくれる教え子も後を絶たない。
○…島根県出身。県立三刀屋(みとや)高では控えながら1年生で全国の舞台を経験。2、3年時には国体の選手にも選抜され、大学までプレーヤーを続けた。「選手としては日の丸をつけられなかったけど、いつかコーチとしてつけたい」。長年の強い思いは実を結び、10年前からU―18(18歳以下)女子日本代表のスタッフも務めている。自らの経験があるからこそ、生徒たちにも『信じること』を貫いてほしいと願う。
○…土日も部活動のため「家では支えられてばかりで責任を果たせていない」とも。チームづくりに焦っていた30代には、妻・亜紀子さんの「遅咲きの講武でいいじゃない」の一言に救われた。娘のいずもさんは小学6年からバスケを始め、高校時代には県の決勝リーグなどで親子対決も実現。「バスケを通じて、父親の仕事を理解してもらえた気がする」。人生の大半に寄り添うバスケへの思いは「感謝」だ。
|
<PR>
|
|
|
|
|
|